性別:女
年齢:54
プロフィール:子どもを育てるなら女の子がいいと思っていたのに、育てたのは3人の男の子。夫をはじめとする唯我独尊な男たちに囲まれた生活のおかげで、メタボには縁がない生活をおくっています。
私が思春期だったころは、軽音(軽音楽)とバイクは不良のやること、そんな偏見がありました。中学生になると男子は強制的に丸刈りにさせられ、風紀委員なんていうものも存在していた時代ですから、女性で運転免許証を持つ人も少なく、何かにつけ「女だてら」になんて枕詞を付けられることもまだまだありました。
私の暮らしていた街は、公共交通機関の利用だけで特に不便は感じない場所でしたし、父も車を運転しなかったので、自家用車もありません。私には兄がいますが、兄もバイクよりはラジオの組み立ての方に興味があった人で、私の夫もバイクには乗りません。なので、私自身もバイクに興味があったわけでもなく、周りでバイクに乗る人もほとんどいませんでした。
そんな環境で育った私が育てた、3人の息子のうちの一人で24歳になる次男。なぜか友達が無類のバイク好き。一番の仲良しの子だけでなく、類は友を呼ぶというのか、息子の周りの友達はほとんどと言っていいほどバイク乗り=ライダーです。それぞれのバイクに乗って、遠方から我が家に泊まりに来たりしていました。免許をもっていない息子は、二人乗りで乗せてもらうばっかりでしたので、息子もバイクの免許を取りたがっていたのは知っていましたが、バイク自体に良いイメージがなかったので、親としてはずっと静観していました。
それでも、今後、息子も忙しくなれば免許を取りに行く暇はないだろうと取得を許可。この夏、無事に二輪の中型免許の取得を果たしたのです。それを息子がSNSで報告したとたん、まあ皆さんから「今度一緒にツーリング行きましょう」のお誘いのメッセージが届くこと届くこと!待ってましたとばかりに、仲良しの友達が中古のバイクを調達してくれ、その上フルフェイスのヘルメットやグローブを、中古だから、穴あきだからと、タダで譲ってくれて、息子はあっという間にライダーデビューを果たしたのでした。バイクは不良のやること?確かに、息子を含めた彼らは見た目がちょいワルっぽい感じもしないわけではないですが、本当に根っからのいい子ばかりで、熱い仲間のつながりが羨ましい限りです。
そんな息子の様子をみて、学生の頃を思い出しました。学生だった私はライダーの先輩に「バイクって怖くないですか?」と聞くと「ちょー、気持ちいいよ」といわれ、「冬は寒くないですか?」と聞くと「鼻水が凍るんだ」と返されました。鼻水が凍るほど寒くても、バイクには乗りたいのがライダーなんだそうです。
確かに自転車に乗るだけでも、風を切る感覚はとても気分のいいもの。車さえこなければ、ペダルから足を外して、下りの坂道を飛ばしてみたい気分になります。バイクなら、もっと気持ちいいんだろうなあ......。
実はつい最近、孫のバイクの後ろに乗って、菜の花畑の間を走りぬける笑顔満載のお婆ちゃんのCMを見て、「これかな......」と思い始めた私。
菜の花畑もいいけれど、両側が海っていうのもいいなあ。北海道の富良野も捨てがたいなあ。
そんな妄想が膨らんで、息子にひとこと。
「今度後ろに乗せてよ」
息子の返事は「ニケツは免許を取ってから1年経たないとダメなんだよ」
そっか、半年後には君はこの家から出る予定だった。それでも、いつか乗せてね。男の子しか育てられなかった私にも、楽しめるイベントください。よろしく!そんなことを心の中でそっと呟いています。
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