「もう助かりませんよ!」患者の近くでまくしたてる看護師。付き添っていた母もひどくショックを受け...<後編>

「まくし立てるように祖母の状態を説明した看護師さん。いくらなんでもそんな言い方はないんじゃないでしょうか」

「もう助かりませんよ!」患者の近くでまくしたてる看護師。付き添っていた母もひどくショックを受け...<後編> 23.jpg

■心ない看護師の言葉にショックを受けた私

看護師さんも人ですから、腹が立つことやイライラすることもあって当然だと思います。

もしかしたら、治療についての理解が私たちに足りなかったのかもしれません。

詰所で母が余計なことを言ったのかもしれないし、何か気に障るような誤解があったのかもしれません。

だとしても、何の前置きもなく、いきなり怒った口調で、しかも寝ている祖母のそばで「助からない」と大声で何度も言うのは、人としてどうかと思います。

入院当初から毎日祖母に付き添っていた母ですが、この件でひどくショックを受け、病院に行きづらくなったと、すっかり気落ちしてしまいました。

そんな母のため、そして祖母のため、翌日からは私もできるだけ母と一緒に祖母に付き添いました。

その後、あの看護師を見かけることはありませんでしたが、他の看護師も同じように思っているのかもと考えると、気が重く複雑な心境でした。

容態が悪くなっていたこともあり、祖母は日に日に口数が減り、寝ている時間が増えていきました。

そして5日後、祖母は亡くなりました。

あのとき看護師は、祖母は耳が聞こえないと思っていたのでしょうが、話が通じるときもあり、家族としては全く聞こえないとは思っていません。

もし、目を閉じていただけで意識があり、「助からない」という言葉や様子を感じ取っていたら...そう思うと、悲しくてたまりません。

命が長くないと言われたら、少しの望みも持ってはいけなかったのでしょうか。

あんなふうに責められなければいけないことだったのでしょうか。

10年以上経ったいまでもショックな出来事として、母と私の心に深く残っています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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