「まくし立てるように祖母の状態を説明した看護師さん。いくらなんでもそんな言い方はないんじゃないでしょうか」
■心ない看護師の言葉にショックを受けた私
看護師さんも人ですから、腹が立つことやイライラすることもあって当然だと思います。
もしかしたら、治療についての理解が私たちに足りなかったのかもしれません。
詰所で母が余計なことを言ったのかもしれないし、何か気に障るような誤解があったのかもしれません。
だとしても、何の前置きもなく、いきなり怒った口調で、しかも寝ている祖母のそばで「助からない」と大声で何度も言うのは、人としてどうかと思います。
入院当初から毎日祖母に付き添っていた母ですが、この件でひどくショックを受け、病院に行きづらくなったと、すっかり気落ちしてしまいました。
そんな母のため、そして祖母のため、翌日からは私もできるだけ母と一緒に祖母に付き添いました。
その後、あの看護師を見かけることはありませんでしたが、他の看護師も同じように思っているのかもと考えると、気が重く複雑な心境でした。
容態が悪くなっていたこともあり、祖母は日に日に口数が減り、寝ている時間が増えていきました。
そして5日後、祖母は亡くなりました。
あのとき看護師は、祖母は耳が聞こえないと思っていたのでしょうが、話が通じるときもあり、家族としては全く聞こえないとは思っていません。
もし、目を閉じていただけで意識があり、「助からない」という言葉や様子を感じ取っていたら...そう思うと、悲しくてたまりません。
命が長くないと言われたら、少しの望みも持ってはいけなかったのでしょうか。
あんなふうに責められなければいけないことだったのでしょうか。
10年以上経ったいまでもショックな出来事として、母と私の心に深く残っています。
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