性別:女
年齢:42
プロフィール:強運らしい夫と結婚して5年の専業主婦。子供はいません。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
◇◇◇
私が夫と結婚する直前、数年前の話になります。
お互いに忙しく一年に数度会えるか会えないかの30代後半の友人(自営業)とランチの約束をしました。
その際、数か月前に彼女の主催するお茶会で一緒になった50代後半の女性Aも是非一緒に、と私から友人にお願いして誘ってもらいました。四柱推命に詳しく話も弾んだので楽しいかと思ったのです。そして、三人で会うことになりました。
その日の話題の中心は、A曰く「とにかくとんでもない強運の持ち主である私の夫」のこと。仕事はうまくいく、会社を興しても大丈夫、お金に困らない、果てはあなたにはもったいない、妹の婿に迎えたい、と嘘とも本当ともとれない真剣な表情で繰り返します。
私達はお腹を抱えて笑い、年甲斐もなくきゃあきゃあと盛り上がり、デザートを食べてからも話は続きました。気付けば残っているのは私たちだけ、というような、騒々しくも楽しい数時間を過ごしました。
そして、帰り際。それぞれがそれぞれのお会計を済ませようとしている時に、Aは私のほうを見ながら友人に大声で「あなたの分だけは支払わせてね」と言ったのです。
私の笑顔は一瞬にして固くなりました。わざわざ私に向かって宣告するかのような言い方、唇の端をちょっと上げて蔑むような表情を浮かべたAを、私は未だに忘れられません。
友人とAのお付き合いも長いはずですから「いつものお礼に」ということかもしれませんし、二度しか会っていない私に奢る道理はないと考えたとしてもおかしくはありません。
私がランチに誘った意図をAから"タダで" 占いの話を聞こう、と勘繰られたのかもしれません。
もちろん、そんなことは考えたこともなく、ただ単純に素敵な人とお友達になりたいだけだったのですが......。
あるいは、もしかすると、私は何らか彼女に劣等感を抱かせてしまった――この思い付きには自分でも笑ってしまいますが、あのおかしな言い方を考えると「とんでもない強運の持ち主」である夫を射止めた私への嫉妬の裏返しだったのか、とも思いました。
このことを思い出すたびに、どうしてAはあんな表情を私に向けたのか、モンモンとしてしまうのです。色んな感情が入り交じり私のことが気に入らなかったとしても、常識的な大人として、私のいない場所で言うなどの配慮があってもおかしくないはずだと思います。
会計について、友人は「友達(=私)もいますから」と固辞していましたが、Aは何事もなかったようにあっけらかんと去って行き、私と友人の間には気まずさだけが残りました。
幸いにもその後も友人とは変わらず付き合えていますが、それ以降二人の間でこの件が話題になったことはありません。
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