「今や、子どもから大人まで持っているスマホ。生活に欠かせないものになりましたね。でも、『ネットリテラシー』のない人にとっては、危険だと思う出来事がありました。私の89歳になる父の話です」
■個人情報がネットに!「だから?」と言う父に唖然...
いつのまにかSNSに登録をしていた89歳の父。
見ると本名・住所・顔写真をセットで世界に晒しており、慌てて本人に電話しました。
のんきに「おぅ、久しぶり」と出たので、私は怒りを抑えてアカウントをつくったのか確認しました。
すると「友達を探そうとしたけど、なんだか面倒で使うのを止めた」との返事。
父にすれば「自分がアクセスしていない=やっていない」という認識だったようです。
そこで、本人はそのつもりでもしっかり登録したまま個人情報をネットで公開していることを説明しました。
ところが「だから?」と事の重大さを全く分かってくれません。
言葉を選びつつ事態を説明し、すぐに削除をお願いしましたが「もうやり方も忘れたからログインの仕方も分からない」と、だんだん口調がイライラしてきました。
父は元々かなり短気でプライドも高く、普段から話し合いをしたくても「なんだその言い方は!」と怒り、一方的に話を終わらせる人なので、今まではずっとこっちが折れていたのですが、今回ばかりはそうもいきません。
なんとか本人に作業してもらうしかないのです。
私が初めて諦めずに食い下がるので「もういい! 明日携帯を買った店で言えばいいんだろ!」と完全に怒ってしまいました。
でもショップでそこまでしてもらえる訳がないことも説き、手始めの作業をメッセージで送りました。
もう高齢で根気もなく我慢が苦手な父はそれ以上話を聞いてくれず、途中で電話も切られました。
LINEも無視です。
困り果て、弟からも説得してもらいました。
翌日も諦めない私と弟の話にだんだん事の重大さを感じたようですが、操作が分からないのでとうとう開き直ってしまいました。
「こんな金もない年寄りの情報がなんだって言うんだ、昔は電話帳に全部出ていたじゃないか! 俺は友達を探してもダメなのか!?」と論点はズレていくばかりで...。
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