仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん

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中道あん
大阪府在住。「女性の生き方ブログ!50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。
結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。東京にはこの春入籍した次男夫婦がおり、要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。


私と同世代であれば、高齢になったひとり暮らしの親を持つ方は多いと思います。親がどのように暮らしているか、気にかかりますよね。それでも毎日忙しくて、構ってはいられない、というのが現実ではないでしょうか。

うちの場合、今は有料老人ホームに入居していますが、以前は同居しておりました。とはいえ、私は平日は遅くまで働いていたので、日中は要介護2の母が一人です。加えて父が亡くなった後に引き取ったので、母には近くに友達もいませんでした。

そこで、新たな暮らしを始めるにあたり、ご近所の商店と母親との接点を多くとれるように仕組みを作りました。


1. 新聞をとる

2. 牛乳を週一回配達してもらう
3. お豆腐屋さんの流し売りを買うようにする
4. ネットスーパーで宅配してもらう
5. 和菓子やお酒は近所のお店で買う
6. タクシーの活用


うちの場合、新聞や牛乳を取る事は、集金人さんと母との交流が目的です。皆さん高齢者に親切な方ばかりで、一言二言でも会話をして下さるようです。一度、母の留守中に娘が牛乳屋さんの集金に応対すると「今日はお婆ちゃんどうしたの?」と聞いてくれたそうです。

お豆腐屋さんは毎日決まった時間になるとワゴン車に乗って、カランカランとベルを鳴らしながら近所を回ってきます。週に何度か、母に玄関の門でお豆腐屋さんを待ってもらい、家のすぐ側でワゴン車を止めお豆腐を届けてもらうようにしていました。私が仕事が休みの時には、私がお豆腐を買いに出るのですが、その時「今日はお母ちゃんは?」と気にかけてくれ、たいてい私が母の愚痴をこぼすと「そのうち、あんたもそうなるわ。皆んな順番や。」と諭される始末です。

ほかにも、私が和菓子屋さんの前を通ると店主が「この前お母ちゃん、ようけ買ってくれたわ。〇〇行くて言うてたで」など、さりげなく情報を流してくれるように。

家から歩いて5分程の所にバス停があるのですが、母はよくタクシーを利用していました。足が悪いせいでもありますが、それよりも運転手さんと駅までの10分程の時間、会話するのが楽しいようでした。顔馴染みになっていくと、行き先を告げずとも家まで連れて帰ってくれると自慢げに話をしていました。一度、バス停でしゃがんでバスを待っていたら、目の前にタクシーが止まり、駅まで乗せてくれたそうです。

このように、ご近所の商店を利用する事で少しずつ母の顔を売っていき、無意識の見守り体制が出来るようになったのです。


毎朝、ポストに投函される新聞が溜まっていたら、もしかして部屋で倒れているかもしれません。離れて暮らす子供が契約者となって、そうのような事があれば、連絡を貰える様に契約時にお願いしておくのも見守り手段の一つだと思います。

1日1食でも宅配弁当を取るというのも良いかもしれません。子供が直接見守ることができない場合、地域の商店を利用した仕組み作りを試みてはいかがでしょうか。

次の記事はこちら:『おとな』だから確立したい、自分の定番スタイル

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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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