最近ではリスキリングやリカレント教育が話題ですが、あなたには何か学んでみたいことはありますか?『ただの主婦が東大目指してみた』(フォレスト出版)は、昼寝ばかりしていたズボラ専業主婦の著者・ただっちさんが、夫の言葉をきっかけに東大を目指す姿を描いたノンフィクションの受験奮闘記です。「ただの主婦」は一体なぜ「東大主婦」を目指すことになったのか―。笑いあり涙ありのエピソードを厳選してお届けします。
※本記事はただっち著の書籍『ただの主婦が東大目指してみた』から一部抜粋・編集しました。
【前回】指の皮をめくる癖が治らない...ズボラ主婦のストレスの原因は?
ただの主婦か、ただのクズか... 5月某日
「家事をがんばらなくちゃ」
そう思うのは私が「専業主婦」だから。妻だから。女だから。家にいるんだから。
子どもがいないんだから。ちゃんとするのが普通で、ちゃんとしてはじめて「普通」なんだ。
だからこそ、まともに家事ができない、怠惰な自分が憎くて嫌いで情けなくて、でもそんな自分から抜け出せなくて━━自分の手を傷つけてしまう。
それならいっそのこそ、「がんばること」をやめてしまえばいいんじゃないの?
家事が心から楽しいのなら、それでいいけどさ。私は違うじゃないの。そんな自分を責めてまで、がんばって、なんかいいことあるの?
もちろん、家事のクオリティが高ければ高いほど、夫の満足感は上がるでしょう。
でも、家事ってあくまで「生活の一部」にすぎないから、いつかは家事のクオリティを保つための「主婦の努力」も当たり前だって思われてしまう。褒められるためにやってるわけじゃないけど、第三者から評価や賞賛を得ることはモチベーションにもなるし、自分の努力が可視化できたような、そんな気がして心が満たされる。
ああ、そうだ。私が「家事」をがんばる気になれないのは、これも理由の1つなんだろうね。
だけど、今の私から「家事」をがんばる義務を除外したら、どうなるの?
もちろん、自由になれるよね。でもさ、その勝ち取ったフリータイムで一体何をする気なの? 好きなだけぐーたらして、好きな時間に仕事をして、気が向いたときに必要最低限の家事をするか?
......いや、それじゃあ今の状態と変わらないよ。家事への責任感をなくしただけの、ただのクズじゃないか。
家事をがんばらない時間で、一体何をすればいい? 何ができる? 何がしたい? 何なら許される?