どんな料理も極上の味にしてくれる! 「レモン塩麴」とアレンジレシピ

国産のレモンが旬を迎えます。皮ごと安心して使える国産レモンでレモン塩麴を作ってみましょう。レモンの香りにも癒されます。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子(むらかみ・さちこ)さんに「レモン塩麴の作り方と活用レシピ」を教えてもらいました。


一時、大ブームになった塩レモンはモロッコで生まれた発酵調味料です。

レモン塩麴はレモンを塩麴に漬け、電子レンジを使って発酵を促進し、わずか数時間でできあがります。

レモン塩麴は、アミラーゼ(糖化酵素)、プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、リパーゼ(脂質分解酵素)の生きた3つの酵素に、活性酸素を抑える働きのあるレモンの皮の下のエリオシトリンをはじめ、さまざまなレモンの効果を得られます。

レモン塩麴を小さじ1/4ほど、カップ1杯のお湯に落として飲んでみると、コンソメスープのような深いうま味とおいしさを感じられます。

どんな料理にも隠し味として足してみると、極上の味にしてくれる不思議な調味料です。

どんな料理にも加えられる万能調味料

レモン塩麴の作り方

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100gあたり65kcal/塩分8.0g

材料(できあがり620g)
国産レモン...1個(200g)
ご飯...1カップ
熱めの湯(60~65度)...200ml
米麴...50g
塩...50g
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(1)耐熱樹脂の容器にご飯を入れ、60~65度の湯を注いで混ぜる。温度計がないときは、洗った清潔な指を差し込んでみて熱いと感じるくらいを目安に。

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(2)米麴をミルやフードプロセッサーなどで細かくしておく。そのままでもよいが細かくするとよりなめらかになる。

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(3)米麴を(1)に加えてよく混ぜる。

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(4)容器の大きさに合わせて切ったクッキングシートを表面にぴったりと貼り付ける。

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(5)ふたはしないで、電子レンジ弱(150~200W)または解凍キーで30秒加熱する。

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(6)炊飯器の内釜にキッチンペーパーを四つ折りにして敷き、ふたはしないで(5)を置く。

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(7)保温モードにして炊飯器のふたは開けたまま、乾いた布巾をかけて30分おく。

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(8)塩を加えて混ぜ、再びクッキングシートを戻し、ふたはしないで乾いた布巾をかけ、保温モードで再び30分おく。

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(9)レモンは外皮をたわしで洗い、キッチンペーパーで水分を拭き、8個のくし形に切る。

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(10)レモンを(8)に埋め込むように入れる。

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(11)クッキングシートを表面に貼り付け、乾いた布巾をかけて保温モードで6時間おく。

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(12)フードプロセッサーにかけてピューレ状にして瓶に詰める。

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●冷蔵で1年間保存できる。

※保存容器は清潔で完全に乾いたものを使用する。

保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合があります。

《レモン塩麴を使って》

かぼちゃのレモン塩麴煮

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1人分114kcal/塩分0.1g

材料(2人分)
かぼちゃ...200g
レモン塩麴...小さじ1/2
砂糖...大さじ2

作り方
(1)かぼちゃはわたと種を除き、6等分に切って皮をところどころむく。切り口にレモン塩麴を塗る。

(2)耐熱ボウルにかぼちゃの皮を下にして並べ、上から砂糖を振りかける。ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで4分加熱する。竹串を刺してみてスーッと通ればOK。かたい場合は、さらに電子レンジで1分加熱して軟らかくする。

(3)熱いうちにかぼちゃを裏返して皮のつやを出し、粗熱を取り、器に盛る。

レモン塩麴のポテトサラダ

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1人分103kcal/塩分0.3g

材料(2人分)
じゃがいも...1個(150g)
玉ねぎ...1/8個(25g)
にんじん...薄切り3枚(20g)
レモン塩麴...小さじ1/2
酢...小さじ2
マヨネーズ...大さじ1
パセリのみじん切り...少々

作り方
(1)玉ねぎは2~3cm長さの薄切り、にんじんは2~3cm長さのせん切りにし、ボウルに入れる。レモン塩麴を加え、しんなりするまでもみ、酢をかけてほぐす。

(2)じゃがいもは洗って水けが付いたままポリ袋に入れ、口は閉じずに耐熱容器にのせて電子レンジ600Wで3分、竹串がスーッと通るようになるまで加熱する。

(3)じゃがいもを水につけて粗熱を取り、2つに切って皮を除き、フォークなどでマッシュする。

(4)(1) に(3)とマヨネーズを加えてあえ、器に盛り、パセリを振る。

温野菜のレモン塩麴カウダ

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1人分120kcal/塩分0.4g

材料(2人分)
にんじん...1/3本(50g)
小かぶ...1個(70g)
エリンギ...40g
ターサイまたは小松菜...100g
〈レモン塩麴カウダ〉
(A)レモン塩麴...小さじ1
(A)バルサミコ酢 ...小さじ1
(A)生クリーム...大さじ3
セルフィーユ...少々

作り方
(1)にんじんは皮をむき、1.5cm角で5~6cm長さに切る。小かぶは皮をむきエリンギともに十字に4等分する。

(2)耐熱ボウルに(1)とターサイを入れ、ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで5分加熱する。加熱が済んだら、ターサイは水に取って絞り、4cm長さに切る。

(3)(A)を合わせて〈レモン塩麴カウダ〉を作り、セルフィーユを添え、器に野菜を盛る。

アマニの鶏から揚げ

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1人分198kcal/塩分0.3g

材料(2人分)
鶏むね肉...200g
(A)レモン塩麴...小さじ1
(A)砂糖...小さじ1
(A)おろしにんにく...小さじ1/4
ローストアマニ粒...大さじ2

作り方
(1)鶏肉の身に破裂防止に5mm間隔の切り込みを入れ、10個に切って合わせた(A)をまぶし、ローストアマニ粒をまぶす。

(2)クッキングシートを敷いた耐熱皿に(1)の皮を下にして置く。ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで4分加熱する。

(3)器に盛り、あればベビーリーフ、タイムやピクルス(どちらも分量外)を添える。

たらとポテトのレモン塩麴蒸し

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1人分206kcal/塩分0.3g

材料(2人分)
たら(皮なし)...2切れ(200g)
じゃがいも...200g
ミニトマト...100g
レモン塩麴...小さじ1/4
(A)にんにくの薄切り...1片分
(A)赤とうがらしのみじん切り...小さじ1/4
(A)オリーブ油...大さじ1
セルフィーユ...適量

作り方
(1)じゃがいもは皮をむいてくし形切りにし、ミニトマトはへたを取る。

(2)たらにレモン塩麴を塗る。

(3)耐熱ボウルに(A)を入れ、(2)を1切れずつ加えて裏表にまぶす。

(4)(3)に(1)を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで9分加熱する。

(5)器にたらとじゃがいも、ミニトマトを盛り、ボウルに残っているうま味の出た蒸し汁をソース代わりにかけ、セルフィーユを飾る。

ジャージャー麺

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1人分344kcal/塩分3.5g

材料(2人分)
牛ひき肉...100g
長ねぎ...14cm
きゅうり...1/2本
たけのこ(水煮)...50g
(A)赤だしみそ...大さじ1
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)ごま油...大さじ1
(A)豆板醬...小さじ1
(A)砂糖...小さじ1
(A)塩...小さじ1/5
(A)レモン塩麴...小さじ1
(A)片栗粉...小さじ1
熱湯...100ml
カペッリーニ(乾燥・直径1.3mmまたは中華麺・細いもの)...100g

作り方
(1)長ねぎは長さを2等分し、切り目を入れ、芯を抜き、細切りにする。きゅうりは種の部分を除き、7cm長さのせん切りにする。両方冷水に放し、パリッとしたらざるに上げる。

(2)耐熱ボウルに(A)を入れて熱湯を加えて混ぜ、とろみがついたら牛ひき肉を加えて混ぜてほぐす。5mm角に切ったたけのこを加え、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで6分加熱する。

(3)鍋に熱湯1L(分量外)を沸かし、塩は加えずカペッリーニを加え、強火で3分ゆでてざるに上げる。

(4)器に(3)を盛り、(2)をかけ、(1)をのせる。辛味が好きな人はラー油(分量外)をかける。

鶏飯

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1人分278kcal/塩分0.6g

材料(2人分)
鶏むね肉(皮なし)...100g
レモン塩麴...小さじ1/4
卵...1個
(A)砂糖...小さじ1
(A)塩...少々
(B)水...300ml
(B)干ししいたけ...2枚
(B)レモン塩麹...小さじ1/2
(C)酒...大さじ1
(C)しょうゆ...小さじ1/2
ご飯(温かいもの)...200g
小ねぎの小口切り...1本分
三つ葉(4cm長さに切る)...4本
野沢菜漬けのみじん切り...10g
陳皮(市販品)...少々
刻みのり...少々

作り方
(1)耐熱皿に鶏むね肉を入れてレモン塩麴を塗り、ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで2分加熱する。取り出して粗熱が取れたらほぐす。

(2)卵に(A)を加えて混ぜる。

(3)フライパンを熱し、キッチンペーパーで薄く油(分量外)を塗り、(2)を流し入れ、薄焼き卵を作る。冷めたら4cm長さのせん切りにする。

(4)鍋に(B)を入れて温め、干ししいたけが軟らかく戻ったら(C)で調味する。しいたけは取り出して軸を除いて細切りにする。

(5)器にご飯を盛り、(1) 、しいたけ、卵、小ねぎ、三つ葉、野沢菜漬け、陳皮をのせ、(4)の汁をかけ、のりをのせる。

取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景) 

 

<教えてくれた人>

管理栄養士 料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。

この記事は『毎日が発見』2022年11月号に掲載の情報です。

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