手指が痛む...おもな症状と特徴をチェックして、あなたの「病気」を特定しよう

ひどい痛みで指が曲がらない、関節が太くなった、指の形がおかしい...。それらの症状、もしかしたら「へバーデン結節」かもしれません。患者数350万人以上とも言われる「へバーデン結節」ですが、原因自体はまだ解明されておらず、手指の痛みをそのままにしてしまっている人も少なくないそう。そこで今回は、麻酔科医・富永喜代先生による著書『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』を紹介。具体的な症状や対処方法、自分でできる痛みをやわらげる治療メソッドなど解説していきます。

※本記事は富永喜代著の書籍『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』から一部抜粋・編集しました。

【前回】セルフチェックで手指の病気を自己診断! あなたはどこに痛みを感じますか?

ドゥケルバン病

手首の使い過ぎなどによって、腱や腱鞘に炎症が起こる「腱鞘炎」の一種が、ドゥケルバン病です。

手指を酷使する演奏家やスポーツ選手、長時間パソコンのキーボードを打つ仕事に携わる人に多く見られます。

親指を広げたり、動かしたり、パソコンのキーボードを打とうとすると、手首の親指側に痛みが走るのが特徴です。

親指は、物をつかむ・ひねるなど日常生活のさまざまなシーンで使われるので、普段の生活に支障やストレスが生まれてしまうのが厄介です。

親指を広げたときに痛む人は、悪化させないよう注意したほうがいいでしょう。

また、手指を使い過ぎていない人でも、妊娠中や更年期など、女性ホルモンのバランスの変化でドゥケルバン病の症状が出ることもあるので要注意。

炎症が治まるまで、痛むほうの手首を極力使わないようにし、サポーターなどで保護して親指の負担を減らしてあげることが肝心です。

しかし日常生活では、ついつい親指を使ってしまうことも多いもの。

併行してセルフケアとして、10秒神経マッサージも行うといいでしょう。

【おもな症状&特徴】

□ 物を持ったときに手首にピリッと痛みを感じる
□ 親指を広げたり、力を入れたりすると手首の親指側に痛みを感じる
□ 妊娠中や産後、更年期の女性に多く見られる症状
□ 手首や手指をよく使う仕事の人、スポーツなどによる使い過ぎで起きやすい

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《簡単チェック法》
手のひらを自分に向け、手をグーに握る。その状態で、手首から小指側に手を傾けたとき、
痛みを感じたら、ドゥケルバン病の可能性があります。

手根管症候群

「手根管」とは、手首の内側の付け根あたりにある、トンネル状の空間のこと。

この手根管の中を通っているものに、腱や、関節がスムーズに動くためのクッションとなる「滑膜」、そして手指の神経があります。

この中が圧迫されると、中を通っている神経も圧迫されてしまい、痛みが引き起こされるのが「手根管症候群」です。

症状としては、手のひら側の親指から薬指にかけてしびれや痛みが走ります。

特に人差し指と中指の先のほうに、強く痛みが出ることが多いのも特徴です。

寝ている間に腱がむくんで手根管を圧迫してしまうため、朝にしびれを感じる人もこの疾患を疑ってみてもいいでしょう。

また、しびれを感じたときに手を振ると痛みがやわらぐことも多いようです。

手根管の中を圧迫する原因としては、手指の使い過ぎのほか、女性ホルモンの変化も挙げられます。

女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが減ってしまうと、滑膜が腫れて手根管の中を圧迫し、神経も圧迫されて痛みが起こると言われます。

そのため、エストロゲンが激減する更年期や妊娠中、出産後の女性にも多く見られます。

【おもな症状&特徴】

□ 親指から薬指の半分にかけて痛みやしびれが起こる
□ 特に人差し指と中指の症状がきつい
□ 指でものをつまむ動作がしにくくなる
□ 親指の付け根のふくらみが痩せてくる
□ 更年期以降の女性に多く見られる症状

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※この記事は『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』(富永喜代/KADOKAWA)からの抜粋です。

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