適度な距離感。ほどよい無関心。諸行無常のご縁あり/頑張りすぎない練習

人づき合い、仕事、家族の介護...「頑張る」はいいけれど、「頑張りすぎ」はダメ。無理せず、ほどよく、上手に休む―新聞、テレビ、ラジオ等で話題沸騰中、「現役看護師」の女性僧侶・玉置妙憂さん待望の新刊『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む――』(マガジンハウス)より、心がラクになる生き方のヒントをお届けします。

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上手な人づき合いのコツは「適度な距離感」――お互いの世界を認め合う

お釈迦さまは、人間関係についてどう考えていたでしょうか。

「人間は孤独である」と考えるのが仏教です。

根本的に、私たちはまったくのひとりです。

ひとりで生まれてひとりで死んでいくのが私たち人間というもの。

「出会った人との縁を大切にしなさい」とお坊さんはよく言いますね。

それは、人間は孤独だという考えがまずあり、だからこそ「たとえ、一期一会の出会いであっても、ありがたいことだと思いなさい」ということなのです。

そして、仏教には「諸行無常」という教えがあります。

世の中は常に動いて流れて変わっていきます。

私たちは、誰かと出会い、その人がとてもいい人であれば、「この人と一生一緒にいたい」と思います。

でも、その人との関係は、いずれ変わって、流れて、いつかはお別れしなければなりません。

人間は孤独で、世の中は移り変わっていくということを、本当は私たちも知っている。

でも、ふだんはそのことに考えが及ばないでいるのもまた私たち......。

私たちは、「完璧にわかりあえて、永遠に一緒にいられる人がきっといる」と心のどこかで思っています。

一方でまた、「一生、心を許しあえる友だち、心からわかりあえる恋人というのは幻想にすぎない」ということにも、実は私たちは気づいています。

この幻想とどうつき合うか――が、人づき合いを頑張りすぎないポイントだと思います。

また、仏教には「怨憎会苦」という言葉があります。

嫌な人に会わなければいけない苦しみ、という意味です。

生・老・病・死を四苦、それに愛別離苦(愛するものと別れること)、求不得苦(欲しいものが手に入らないこと)、五蘊盛苦(身体と心が思うようにならないこと)と、この怨憎会苦の4つを加えて「四苦八苦」。

人と会うことも苦しみのひとつなのです。

縁というものがあれば、誰かと出会います。

縁がなければ出会いません。

嫌な人、好きな人というのは関係ありません。

友だちが少ない、友だちができない......。

それはあなたの責任ではありません。

縁があるかないか、だけなのですから。

先ほどお話ししたように、今あなたが見ている世界は、あなたがつくりあげた世界です。

他人さまの世界とはちがいます。

人間関係を良好に保つためには、「お互いの世界を認めてあげる」ということが大切です。

では、「認めてあげる」ためにはどうしたらいいでしょうか。

それは、「ほどよく無関心でいる」という心持ちで相手と接することです。

たとえ、相手が自分とはちがう考えや行動をしたとしても、「ああ、そういう考え方もあるのね」という感じであまり干渉しない。

ああだの、こうだの、ごちゃごちゃ言うのは、自分の世界の押しつけで、相手を認めていない証拠です。

家族や恋人、親友など、近しい間がらになればなるほど、自分と同じ考えや行動をしてもらいたいと思います。

お気持ちは十分わかりますが、でも、そこはあまり頑張りすぎないでくださいね。

上手な人づき合いのコツは、「適度な距離感」なのです。

【まとめ読み】『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む―― 』記事リスト

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人づき合い、仕事、家族の介護...無理せず、ほどよく、上手に休む―現役看護師の僧侶が伝える心がラクになる生き方。

 

玉置妙憂

看護師。僧侶。スピリチュアルケア師。二児の母。現役の看護師として勤めるかたわら、非営利一般社団法人「大慈学苑」を設立し、 院外でのスピリチュアルケアにも注力。講演会やシンポジウムの開催を行うなど、幅広く活動する。著書に、『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社)、『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)、『困ったら、やめる。迷ったら、離れる。』(大和出版)など。

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『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む――』

(玉置妙憂/マガジンハウス)

「現役看護師」の女性僧侶・玉置妙憂さんが贈る人生の教科書。人づき合い、仕事、家族の介護…「頑張る」はいいけれど「頑張りすぎ」はダメ。「頑張りすぎない考え方&実践法」満載の心がラクになる生き方をまとめた1冊です。

※この記事は『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む―― 』 (玉置妙憂/マガジンハウス) からの抜粋です。
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