外出禁止、スマホ監視、異常な束縛。モラハラ夫に疲れた妻は抵抗することをあきらめて【著者インタビュー】

妻を独占するため、外出やスマホも禁止する夫。あまりにも身勝手な束縛を受ける妻は、次第に自分が悪いのだと思い込んでしまい...。『うずら男〜モラハラかまって夫が人間をやめるまで〜』(KADOKAWA)は、夫の異常な行動に翻弄される妻を描いたセミフィクション。ペットと一緒にお世話してほしいという奇行だけでなく、夫のモラハラによる「共依存」の怖さも感じるこの作品のあらすじを、著者の前川さなえさんのコメントと共にお届けします。

『うずら男〜モラハラかまって夫が人間をやめるまで〜』あらすじ

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主人公のあすかは、ちょっと空気が読めないところがありながらも不器用で純粋な性格に惹かれ、和史と婚約。しかし婚約してすぐに「男友だちの連絡先の削除」と「スマホの位置情報共有」を求められます。
さらに和史は、あすかの交友関係に対しても異常なまでの嫉妬心を見せ、「いい奥さんでいること」を一方的に要求するのでした。

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長男が生まれたものの、和史は「やり方がわからない」「いままで育児したことないんだからできないのは当然」と、新生児のお世話をあすかに丸投げ。赤ちゃんのミルクより自分のコーヒーを優先してほしいと主張したり、赤ちゃんの爪を切っていると「ボクのつめも切って」と要求してきたり。要求を断ると拗ねるどころか突然キレることも...。

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次男の出産後も、泣いている新生児に向かって「自分ばっかり甘えるなぁ!いつまでも泣いてるんじゃない」と激怒したり、自分より子どもを優先する妻に腹を立て、「産まなければよかったんだよ2人目なんて」と喚くこともあるのでした。

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さらに、公園で長男から目を離してしまったあすかを責め立て、「ダメな母親なんだからボクが監視してあげないと」と、スマホは毎日チェック、メッセージアプリの制限時間は5分、外出を禁止するなど、要求はここぞとばかりにエスカレートしていきます。

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子どもたちも大きくなり、外に働きに出ることを考え始めたあすかでしたが、和史はそれを阻止するためにスーパーでうずらの卵を買ってきて孵化させることをあすかに命じます。和史の機嫌を損ねないために言いなりに卵の世話をしたあすかは、奇跡的にすべての卵を孵化させてしまうのでした。

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うずらの世話をするうちに愛着が湧いてきたあすかは熱心に世話をするようになるのですが、それが気に入らない和史は、あすかの気を引くためにさらに執拗な嫌がらせをするようになっていくのです......。

作者・前川さなえさんインタビュー

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――主人公のあすかは何気ない会話ですら夫にキレられてしまうことに疲れ、夫とコミュニケーションを取ることから距離をおくようになります。あすかのこの行動についてどんなことを思いながら描きましたか?

前川さなえさん:以前の私はこういったタイプのドラマや漫画を見て、「言い返しゃいいじゃーん!」とツッコむ側の人間でした。だけど、この作品を描くにあたって実際のカサンドラ症候群の例などをいろいろ調べていくうえで、「反論する方がこじれる」とか「従っているほうが平和」という状態になってしまうことが往々にして起こると知りました。そこで、「どうやってそこまで追い込まれていったのか」という部分をちゃんと追いながら描いていきたいと思いました。

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――あすかは公園で次男に振り回されている間に長男から目を離してしまい、この件をきっかけに和史はあすかを「母親失格」「ダメな母親」と決めつけるようになります。あすかも自己嫌悪から夫の言いなりになっていくのですが、この時のふたりの心情についてどのように考えていますか?

前川さなえさん:あすかは「夫に頼らず自分だけで子どもを育てる」と、常に気を張っている状態でした。そんな中で長男から目を離してしまい、一時的に見失ったことは事実なので、ただでさえ自責の念にかられています。そんなところにさらに夫から責められることで追い打ちをかけられて、打ちのめされた感じです。

一方、和史は和史で、あすかの弱みにつけこむチャンスを虎視眈々と狙っていたので、ここぞとばかりに彼女を責め立てます。そうやってあすかを自分の思い通りにコントロールしようとしている。独占欲がいやな感じに肥大化していっているのだと思います。

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――スマホの監視をしたりLINEの時間制限をしたり、外出禁止を言い渡したりなど、和史の監視は度を越したものですが、あすかは「自分のせいだ」と思い込んでそれを受け入れています。「自分さえ我慢すれば家庭の平和を維持できる」と考えているあすかの気持ちについて、どのような思いで描かれましたか?

前川さなえさん:夫婦だけならぶつかり合ってもいいけれど、子どもができると「両親の不仲を見せたくない」とか「夫がキレたら子どもたちを怖がらせてしまう」とか、子どもファーストで考えるようになるので、自分が耐えることを選択してしまうと思います。また、こんな状態がずっと続いてると、夫婦で向かい合うことにも疲れてしまっているというのもあるかもしれません。

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――主人公・あすかのように、モラハラ夫との関係に悩んでいる女性は、決して少なくありません。もし、同じような悩みを抱えていたり、あすかの状況に共感する読者がいたら、どのような言葉をかけたいですか?

前川さなえさん:むつかしい...。「逃げてー!」とか「誰かに相談して!」とかは簡単に言えるけど、それができないからこの状況になってることがほとんどでしょうから。励ましのつもりがセカンドハラスメントになってしまうかもしれないし、むつかしいです...。

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パートナーに反論しないほうが平和、自分が我慢したほうが家庭の平穏な空気が保たれる...。そんな選択をしたこと、誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。あすかのエピソードには、そんな選択の積み重ねによって、さらに深刻な状況に追い込まれてしまう恐ろしさが描かれています。もし心当たりがあれば、いま一度パートナーとの関係性を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

取材・文=レタスユキ

 

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※この記事はレタスクラブWebに掲載されたものです
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