あえて「ちょっと手間をかける」がポイント。人気の「ミールキット」をご存じですか?

女性が1日のうち家事にかける時間は2時間24分と言われます。30年間だと...なんと2万6280時間(丸3年間)にも及ぶんです。そんな家事を賢く手放してみませんか? 知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、コスパのよい「AI家電」や「家事代行サービス」などを、賢く利用することを提案しています。アラフィフ世代にもぜひ知ってほしい「家事を積極的に手放す」方法を、本間さんの著書『ゼロ家事』(大和書房)より連載形式でお届けします。

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料理はあえて「少しの手間」で罪悪感をなくすのがポイント

現在、時短家事が大変人気ですが、実は「掃除」や「洗濯」と異なり、「料理」だけは少し工夫が必要です。

世の中には、「テイクアウトの惣菜」や「レンジで加熱調理するだけ」といったさまざまな時短料理(食品)がありますが、あまりに手間をかけない料理を食卓に出すと、自分が手抜きをしているという罪悪感を覚え、ストレスを感じてしまう傾向があるからです。

著書『ゼロ家事』では「家事の手間を省くのは効率化。家事を減らすことに罪悪感を持つ必要はない」と提唱しています。

そうは言っても、実際料理に関しては罪悪感を抱いてしまう女性が多いことを考えると、その感情を無視できません。

掃除や洗濯は、機械がやろうと、他人がやろうと、結果としてきれいになれば、自分の感情がそれほど左右されない家事です。

しかし、料理は味覚という自分の感覚に直結します。

毎食、すべて他人が味つけした料理、ミールキットで揃えた食材や味つけに頼っていると、それがどんなに効率的でも、心が満たされないことがあります。

自分自身がそれらの味に飽きて満足できなくなれば、家族のために、ひと手間かけておいしい料理をつくりたいという思いが起こります。

毎日の食事のことですから、それは自然な感情です。

料理だけは、徹底的に効率化するのではなく、手間と罪悪感のバランスを見て、トータルで精神的にも満足でき、それでいて簡単においしく調理できる方法をみなさんに提案していきたいと思います。

例えば、ミールキットには「食材は切ってあるが、調味は自分でやる」という手間のかかる部分だけがラクになるものがあります。

そうしたものを組み合わせて調理すると、簡単なうえ自分でも手を加えるので、精神的に満たされやすいです。

そのあたりを踏まえて、ラクさと手づくり感のバランスがよさそうな商品を紹介します。

ぜひ新しいサービスや商品を積極的に試してみて、自分の感覚にぴったりな、負担も罪悪感もない食事づくりを見つけてください。

献立考案&買い物がゼロ! 調理もラクなミールキット

最近、手頃な価格と調理のラクさから「ミールキット」が人気です。

レシピと必要な食材がセットになっているので、料理があまり得意でない夫や家族にもつくりやすく、家事シェアにも向いています。

しかし同時に、ミールキットはだんだんと飽きてしまったり、あまりに手をかけないタイプのものは罪悪感を抱きやすい傾向も見られます。

私自身、ミールキットを頼み始めて最初は便利さに感動したのですが、毎日食べるうちに飽きてしまったという経験があります。

飽きてしまう理由は、旅行先でのご馳走などと一緒で、たとえおいしい料理だとしても家庭の味にないものが続くと、食べ慣れたものを食べたくなる心理が一点。

つくり置き料理などと一緒で、その時、自分が食べたくて選んだのではなく、あるから食べなくてはならないという義務感や定型にはめられることへの拒否感が一点だと思います。

手間をかけない心理については、ミールキットを開発している企業側も考慮しています。

あえて「ザク切り程度は自分でカットする」「2品のうち1品は電子レンジなどでラクにできるが、もう1品はきちんと調理する」など、利用者に少し手間をかけさせることで、ラクとストレスフリーの両立を実現する商品を提案していて、それが人気となっています。

次から、できるだけ異なる角度の選択肢があるミールキットサービスをご紹介します。自分のライフスタイルや感覚に合わせて選ぶのがポイントです。

各社のサービスは、最初のお試しが安価でできるので、数社を試してから決めたり、複数の会社を並行して利用したりするのもいいでしょう。

オイシックス

※「Kit Oisix」クールサービスの場合
・ 食材の安全性にこだわっている

・ 1商品に5種類以上の野菜が入っている

・ 2品が20分でつくれる献立

・ パッケージや料理がおしゃれ

・ 食材はカットされているが、白菜やえのきのザク切りなど簡易な作業は、あえて自分でやる仕様になっている

・ 1回分がセットされているので、冷蔵庫内で分かりやすく、出し入れがラク

・ レシピには、ひと手間かけてより本格的になるアドバイスも記載

・「Kit Oisix」の場合......賞味期限は商品の保存方法によって異なり、クール(冷蔵)は「到着後1日~5日保証」、フローズン(冷凍)は「到着後23日保証」(私が利用した時は、フローズンはコンソメやバターを使うものが多く、味が濃い目でした。新鮮度や健康面を考えると、賞味期限が短くても、やはりクールがおすすめ)

・ ミールキットではないが、 オイシックスには数日分セットの 「ベジごはん」 もある。こちらは野菜たっぷりの3品の献立(大人2人分)が30分でつくれる。野菜はカットされておらず、自分で用意する食材や調味料もあるが、レシピ通りにつくれば定食のようなメニューができあがるので献立を考えなくて済む。3日分と5日分が選べ、 価格は3日分で4000円前後、 5日分で6000円前後 (商品によって幅がある)

・ 必要な食品や日用品も一緒に買えるので便利

・ 配達曜日や時間を選べるため、同じ曜日がミールキットになる、ゆっくり調理したい休日がミールキットの消費期限になるといったことが防げる(東京都の一部地域を除き、不在時に玄関等に留め置きしてもらうことができず、在宅時しか受け取れないのがネック。不在時に再配達は可能)

ヨシケイ

・ レシピつき食材宅配サービスの老舗。1週間分や1日分、初心者や中級者向けなどさまざまなコースがあり、配達料は無料。毎日のように利用する場合におすすめ

・ 栄養士が献立を考えている

・ 決まったレシピと必要量の食材が届くため、買い物や献立考案、余った食材の管理が不要

・ 献立考案が苦痛な方、料理初心者、離乳食期の赤ちゃんがいるお宅におすすめなのが、「プチママ」(2~4人用、5日間か6日間が選べ、料金は地域によって変わる)。20分で主菜と副菜の2品がつくれ、価格も良心的、料理から子どもの月齢に合わせて離乳食を取り分けられる。つくり方が動画で確認できる

・ 手づくり感よりラクさを重視する場合は、包丁を使う回数が少なく20分以内でつくれる「カットミール」がおすすめ(1日単位で注文可/1食1人分約500~600円。利用できるエリアはまだ限られている)

・ 留守がちな家庭は鍵つきのボックスを借り、不在時に届けてもらうことが可能

・ 地域によっては、当日の朝5時までに注文すると、その日のうちに食材を配達してくれる「夕食.net」というサービスもある

パルシステム

※「わが家の常備菜セット」の場合
パルシステムには、3種類のミールキットがある。
1.「お料理セット」......献立ではなく、1品単位での注文。組み合わせの自由がきくため、献立固定が苦手な人向け。食材は国産、たれは化学調味料不使用

2.「3日分の時短ごはんセット」......主菜・副菜の2品が夕食3日分、時短でつくれる。2人前と3人前から選択(価格は3人前で4000~4500円程度/1食1人分約500円)。ある程度献立を固定してしまいたい人に向く

3.ユニークなのが「わが家の常備菜セット」。鶏ハム、煮物、マリネなど保存がきく常備菜3品とミニおかず2~3品がつくれ、3日程度の保存が可能(価格は2000円程度)。毎日料理するより、一度にまとめて調理する方が合う方、主菜よりも副菜に困っている方、お弁当がある方などに向く

・ 2と3では、苦手な食材がある場合は、その食材を買わないことも可能

・ 届く食材とレシピの使用量が異なることがあり、その場合余った分は自分で消費する必要がある

・ パルシステムの「タベソダ」というアプリを利用すると、注文時だけ手数料(配達料162~194円)を支払えばOK(利用可能地域は、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・山梨・群馬・福島・静岡・新潟の1都10県の一部エリアのみ)

・ 生協系は一般的に注文の有無にかかわらず毎週手数料がかかることが多く、パルシステムもタベソダを使用しない場合は、注文の有無にかかわらず200円前後の手数料がかかる(地域により、利用金額割引やベイビー&キッズ特典などで手数料が無料になる割引制度はある)

・ 不在でも玄関等に留め置きが可能

・ 基本的に決められた曜日に届くため、賞味期限が短い商品だと、いつも届いて数日以内に食べないといけなくなってしまう(例えば毎週金曜日が配達日だと、週末がミールキットになってしまう)。生協系は基本的に配達曜日が固定なので、入会する際は居住エリアの配達日を確認することが大切

・ ミールキットの他に、必要な食品や日用品を一緒に頼めるので便利

家事の常識をリセットしましょう。「ゼロ家事」その他の記事はこちら!

ゼロ家事.jpg5章に渡って「AI家電」や「家事代行サービス」、「家事をラクにするテクニック」など、実践的な提案が並ぶ「人生のコストパフォーマンスを上げる」ための一冊です。

 

本間朝子(ほんま・あさこ)

知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、メディアや講演等を通じて提案している。 著書に『写真でわかる! 家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社) など。

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『ゼロ家事』

本間朝子/大和書房)

長年、共働き家庭の最大の壁であった「家事」。でも、いよいよ家事はやらなくていい=「ゼロ家事」の時代が訪れようとしています。コスパの良い「最新AI家電」や、飲み会1回の料金から頼める「家事代行サービス」、知らないと損する「ゼロ家事」の最新サービスや商品など、家事にかける時間と体力を圧倒的に圧縮する実践的な方法が紹介されています。

※この記事は『ゼロ家事』(本間朝子/大和書房)からの抜粋です。

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