敵にねこを送る
元となったむかしばなし
敵に塩を送る
日本の戦国時代のころ、武田信玄と上杉謙信という武将がいました。
2人は何度も争うライバル関係です。ある日、信玄率いる武田軍はほかの国から攻められた挙げ句、塩の供給をストップされてしまいました。生活の必需品である塩の供給が止まることで、塩の値段が高くなり武田軍は財政難の危機に瀕します。するとその噂を聞いた上杉軍から大量の塩が送られてきました。
たとえライバル関係であったとしても、困っていたなら助けるという上杉謙信の義理人情に感動した信玄は、お返しに塩留めの太刀を送りました。
四面楚歌のねこ
元となったむかしばなし
四面楚歌
むかし中国の楚という国に項羽という将軍がいました。
項羽はライバルである漢の劉邦とどちらが天下統一できるか競っていたのですが、徐々に旗色が悪くなってきます。いよいよ項羽軍は劉邦軍に追い込まれ、四方を囲まれます。四方からの攻撃に備えていた項羽軍でしたが、ふと耳をすますと祖国である楚の歌が聞こえます。
すると、故郷を懐かしみ、戦意を喪失した項羽軍の兵士が続々と逃げ出していきました。その光景を見て、完全に負けを悟った項羽は妻の虞美人に「汝を如何せん(あなたをどうにかしてあげたいが、どうすることもできない)」といった詩を贈ります。
その後、虞美人は消息を絶ち、項羽は命が消えるまで漢軍と最後まで戦い続けました。