控え室に戻ったら、仲人や媒酌人に挨拶
仲人や媒酌人の方に対しては、招待客をお見送りしてから、控え室などで挨拶を行います。
新郎新婦と両家のご両親が揃ってから、御礼をするのがベストです。
挨拶後は玄関までお見送りをし、「御車代」を渡します(次ページ参照)。
関係者への「心づけ」の相場を押さえておく
合計すればかなりの高額。事前に両家で話し合う
慶事における「心づけ」とは、結婚式に協力していただいた感謝の気持ちを、新郎新婦から関係者に伝えるためのものです。
とはいえ、新郎新婦はいろいろと慌ただしく、心づけを渡す時間がありません。
そこで親が用意して、親や親族から関係者に渡すことが一般的です。
対象者も多い上に高額になりますから、どちらが誰に渡すのか、金銭の負担はどうするかなど、のちのトラブルにならないよう、お相手のご家族とよく話し合っておくことが大切です。
心づけを渡す相手と目安となる金額
●仲人・媒酌人 ... 10万~30万円(別途「御車代」として1万~10万円)
●主賓 ... 「御車代」として1万~3万円
●神主や神父などの宗教者 ... 1万~3万円
●司会者 ... 1万~3万円
●カメラマン ... 1万~3万円
●受付・会計・進行係 ... 5千~1万円
●婚礼担当者 ... 5千~1万円
●美容師・着付け係・運転手 ... 3千~5千円
※「神主や神父などの宗教者」への心づけは、式場を通じて手配した場合、不要となるケースが多い。「司会者」への心づけも、会場のスタッフが行った場合、不要となるケースがほとんど。
1万円以上の心づけは、水引10本の「祝儀袋」に
心づけは新札を祝儀袋に入れるのがマナー。
水引は結び切りで10本が正式です。
表書きは「寿」「御祝儀」「御礼」などとなります。
御車代も表書きを「御車代」として、新札を祝儀袋に入れて渡します。
ただし、1万円未満の心づけの場合、祝儀袋ではいささか仰々しすぎます。
むしろ小ぶりのポチ袋に入れたほうが、「少額ですが感謝の気持ちです」といった謙遜の気持ちが伝わりますから、そちらを選ぶといいでしょう。
渡すところを他人に見せないのも礼儀
心づけは人目に付かないところでお渡しするのも礼儀です。
式場に到着してすぐ、最初の挨拶のときに渡せたらベストです。
タイミングが合わなかったら、お見送り時の御礼の挨拶前に、他の人に気づかれないよう、スマートにお渡しできるといいですね。
このような感謝の気持ちをひと言一筆箋などに添えてお渡しすると、いっそう気持ちが伝わります。
注意点は、句読点をつけないこと。
句読点は『区切る』という意味から慶事の忌み言葉を連想させてしまうからです。
使用する筆記用具は、鉛筆やボールペンはNG。
筆か筆ペンで感謝の気持ちを綴りましょう。
「後日の正式な御礼」は控える傾向に
かつては結婚式終了後、別日に改めて仲人や媒酌人の自宅にうかがい、正式な御礼を申し上げるのがしきたりでした。
しかし、お住まいが遠方なら訪問も一苦労ですし、先方のご都合が合わない可能性もあります。
そこで最近は結婚式当日、お帰りの際に御礼を伝えたら、後日の訪問は避けるケースが増えています。
年配の仲人や媒酌人の場合、「後日御礼に訪れるのが当然」と考えていることもあります。
そこで別れ際には、「本来ならば、改めておうかがいするべきなのですが、ご多用とうかがっておりますので......」などと、後日の挨拶にはうかがわないことを伝えておくといいでしょう。
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