健康に「おかずの品数」は関係なし!漢方のプロが教える「バランスのいい食事」

頭痛や腹痛などのちょっとした体の不調。病院に行くほどでもないものの、どうにかしたいですよね?こうした不調は、「自分の体に合った食べものを摂ればだんだんと改善される」と漢方薬剤師の杉山卓也さんは言います。そこで、東洋医学に精通する杉山さんの著書『不調が消える食べもの事典』(あさ出版)から、食べもので健康をキープする「食養生」の始め方と「旬食材の効能」の一部をお届けします。

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【登場人物】

よう子:20代の会社員。デスクワークの毎日で、体の不調に悩む女性。冷え性や頭痛などを根本的に治したいけれど、どうすればいいのかわからない。

タクヤ先生:神奈川県にある漢方薬局の薬剤師。相談に来られる方へ漢方薬の処方だけでなく、食生活のアドバイスもしている。


ある日、よう子さんは友人とランチをしていました。そこで自分の体調のことを話していると、友人に予約制の漢方薬局を勧められました。後日、よう子さんは、ドキドキしながら紹介された漢方薬局を訪れました。


【第6回】食事の「バランス」を整える

タクヤ先生 今日は、整えるべきものの3つめ、"バランス"についてお話します。昨日までの2日間で、食事の"量"と"時間"を整える方法について学びましたね。

よう子 はい。お腹が空いたら食べる方が良いと聞いて、我慢せずに間食を食べるようになったので、気が楽になりました。それに今までは夜ご飯をたくさん食べていましたが、昨夜はいつもよりご飯の量を少なくしたので、今朝はお腹が空いて目が覚めました。

タクヤ先生 それはいいことです。朝からしっかり食べられましたか?

よう子 はい。でも、平日は仕事に行かないといけないので、朝ごはんを準備するのが大変で、毎朝パンになってしまいます。

タクヤ先生 それは菓子パンですか?

よう子 はい。チョコレート系の菓子パンは選ばないようにしていますが、食パンだと焼いたりする必要があるので、そのまま食べられるパンを買っています。

タクヤ先生 なるほど、朝ごはんを食べることは良いことですが、毎日菓子パンだと、バランスが良くないですね。

よう子 バランスですか?

タクヤ先生はい。毎日同じパンだと同じ栄養しか摂れません。それはバランスが良い食事とは言えませんね。

よう子 そうですよね。

タクヤ先生 よう子さんはバランスの良い食事と聞いて何をイメージしますか?

よう子 うーん、使われているお肉や野菜の種類が多くて、メインの料理とサラダやご飯など品数が多い食事をイメージします。

タクヤ先生 そうですよね。

よう子 え、違うんですか?

タクヤ先生 うーん、半分は正解です。

よう子 半分ですか?

タクヤ先生 はい。野菜やお肉、お米など、食材の種類が多いことは正解です。でも、品数は関係がないんです。つまり、野菜炒めみたいに1品でも複数の食材が摂れたら、バランスが良いと言えます。今、よう子さんは朝ごはんにパンを食べていますが、そこにスープをプラスするだけでもバランスが格段に良くなります。

よう子 じゃあ、コンビニで売っている"1日分の野菜が入ったスープ"みたいなものでもいいってことですか?

タクヤ先生 そういう加工品には、長持ちさせるための保存料や風味をつけるための化学調味料が入っていたり、味が濃いから、できれば自分でつくるほうがいいですね。

よう子 なるほど、でも大変そうです......

タクヤ先生 そんなに難しく考えなくても大丈夫ですよ。じゃがいもやニンジン、たまねぎなどの食材を切って煮込んでおけばスープの出来上がりです。そこにソーセージなどの肉類を入れるとよりバランスが良くなります。

よう子 切って煮込むだけならかんたんそうだし、一度にたくさんつくっておけますね。

タクヤ先生 さらに、旬の食材を入れるのがおすすめですよ。

よう子 旬の食材?

タクヤ先生 たとえば、トマトの旬は夏、ねぎの旬は冬だけれど、これは食べものがもっている栄養や作用がその季節にあったものだからです。トマトはみずみずしくて熱を取り除く力があるから、暑い夏にその力を発揮します。一方、ねぎは体を温めて血行を良くするので、寒い冬にその力を発揮するんです。

よう子 へー、旬って理にかなっているんですね。

タクヤ先生 そうなんです。お休みの日につくっておいてもいいですね。

タクヤ先生 つくっておいたスープを温めてパンやごはんと一緒に食べると、一気にバランスの整った朝ごはんになりますよ。

よう子 パンだけ食べる場合は菓子パンを選びがちですが、スープがあるのなら菓子パンじゃなくてもいいですね。

タクヤ先生 パンを食べる場合は、全粒粉のパンやバターの量を抑えている食パンなどがおすすめです。スープにご飯を入れて電子レンジで温めるとお手軽な朝ごはんになりますよ。

よう子 ご飯は消化がいいんですね。パンばかりではなく、ご飯を食べる日もつくるようにしてみます。

【まとめ】

◉1品でもいいので、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。複数の食材を一緒に食べられるので野菜炒めやスープがおすすめです。

◉旬の食材は、季節に合った栄養や作用をもっているので、意識して摂ると食事のバランスがより良くなります。

【最初から読む】漢方のスペシャリストが教える「食養生の始め方」

【まとめ読み】「不調が消える食べもの事典」記事リスト

125-h1-tabemono.jpg野菜、果物、魚介、肉!食べもの80種類+生薬10種類の効能と食べ方がわかります。不調が起きるメカニズムも

 

杉山卓也(すぎやま・たくや)

漢方薬剤師、漢方アドバイザー、神奈川中医薬研究会会長、星薬科大学非常勤講師。神奈川県にある「漢方のスギヤマ薬局」にて予約制の健康相談を受けるかたわら、中医学講師として全国でセミナーを開催。漢方薬局経営者向けのコンサルタント会社やオンラインサロン主宰、SNSでの情報発信など漢方・中医学業界のパイオニアとして活躍中。

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『不調が消える食べもの事典』

(杉山卓也/あさ出版)

むくみには「キウイフルーツ」、熱中症には「梅干し」がいい!スーパーやコンビニなど、どこでも買えるもので、不調知らずのカラダになれる食材の大事典。体と心をいたわるセルフケアがすぐできます。明日からの献立の参考に。

※この記事は『不調が消える食べもの事典』(杉山卓也/あさ出版)からの抜粋です。
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