納豆、みそ、ヨーグルト...発酵食品がダイエットや腸活などにオススメな理由を徹底解説!

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納豆、みそ、しょうゆ、漬物、ヨーグルト、チーズ...発酵食品は健康に良い、ということはなんとなく知っています。でも、体に良いといわれるのはなぜでしょう? そもそも発酵とはどのようなもので、どんな栄養成分が含まれているのでしょうか。

また、よく話題に上るダイエットや腸活との関係などを専門家の方々にお伺いしました。

お話いただいたのは発酵調味料研究のスペシャリスト・東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授の前橋健二先生と、腸研究の第一人者・東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生です。

発酵食品は自分で作れます。「甘酒も、味噌も、キムチも! 簡単に作れて身体にいい「発酵食品」&アレンジレシピ」はこちら。

 

1.発酵食品はなぜ身体にいい? その理由を解説

発酵食品とは? 納豆やヨーグルトはなぜ体にいい?

発酵食品であるかないかは"微生物"がかかわっているかどうかによります。微生物がエサを食べて増殖する時、微生物の持つ酵素の作用でエサを分解します。そこで起きる物質の変化によって生み出されるのが発酵食品です。発酵食品にかかわる主な微生物の種類は「麹菌」「酵母菌」「乳酸菌」「酢酸菌」「納豆菌」の5つに分類されます。1つの食品に1種類の菌が働いているわけではなく、例えば大豆の発酵食品である「みそ」なら酵母菌、麹菌、乳酸菌がかかわっているなど、特に日本の調味料は複数の菌の作用により深い味わいが生み出されています。(前橋先生)

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おいしいだけじゃない!発酵食品の4つの魅力とは?

発酵食品の魅力は主に4つ。1つめは「味や香りが豊かになる」こと。原料が微生物に分解されることで甘みが生まれて味に深みが出たり、香りの成分が生まれたりするのです。2つめは「機能性成分が生まれる」こと。微生物が増殖する過程で原料にはない成分が生まれます。例えば、美肌効果があると言われる米の発酵成分・コウジ酸などがそれです。3つめは「体内に栄養を吸収しやすくなる」こと。発酵の過程で微生物がでんぷんやたんぱく質をすでに分解しているため、スムーズに栄養成分を吸収できるのです。4つめは「保存性がアップする」こと。人にとって有用な菌が増殖することで有害な腐敗菌が育たなくなり、保存性がアップします。(前橋先生)

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甘酒、納豆、漬物...日本の発酵食品が体にいい理由

日本の伝統的な発酵食品は栄養が豊富。おかゆに水と米麹を加えて発酵させた「甘酒」は、発酵の過程でビタミンB群が生まれ、アミノ酸も豊富に含みます。栄養成分が体に吸収されやすく、夏バテには即効性が期待できます。「納豆」は蒸した大豆に納豆菌を加えてつくられます。発酵の際にジコピリン酸、ビタミンK2、ビタミンB2、ナットウキナーゼなどさまざまな栄養素を生み出し、大豆をそのまま食べるよりも高い健康成分が得られます。「漬物」のなかでも、ぬかづけや麹漬けは発酵を伴うタイプの漬物。塩漬けにした野菜を乳酸菌の力で発酵させるので、ヨーグルトなどに含まれる動物性乳酸菌よりも生命力の強い、植物性乳酸菌を摂取できます。(前橋先生)

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塩麹、酒かす、酢、みそ...発酵調味料のおいしい効果

酵素をつくる力が強い「塩麹」は、肉や魚を漬け込むと酵素の力で食材を柔らかにし、さらに食材のうま味を増してくれます。「酒かす」はビタミンB群やアミノ酸などを生み出す酵母菌を大量に含有。コレステロールの排泄を促進するレジスタントプロテインも豊富です。「酢」はカルシウムを溶かす作用があるので、煮干しを漬け込むとカルシウムやうま味を酢に取り込むことができます。「みそ」にはたんぱく質、うま味のもととなるグルタミン酸などのアミノ酸、ビタミン類、イソフラボンなどが含まれています。他にも日本にはしょうゆ、みりんなど発酵調味料が数多くあり、知らず知らずのうちに私たちはその恩恵を受けているのです。(前橋先生)

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どのヨーグルトがよい? 生きた乳酸菌を腸へ届ける方法

ヨーグルトや漬物などに含まれる「乳酸菌」は、腸に良い働きをする「善玉菌」であるため健康によいといわれています。ヨーグルトやチーズにすむ菌を「動物性乳酸菌」、漬物などにすむ乳酸菌を「植物性乳酸菌」といい、一般的には動物性乳酸菌よりも植物性乳酸菌の方が生きたまま腸に届きやすいと考えられます。動物性乳酸菌を生きたまま腸に届けたいと思ったら「プロバイオティクス」の商品の方が有効です。プロバイオティクスとは、生きたまま腸に届き健康に好影響を与える微生物のことで、菌の種類により健康効果は異なります。機能性ヨーグルトなどで菌の名前を冠した商品も多く出ています。(前橋先生)

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2.腸活にもダイエットにも! 健康に導く発酵食品の摂り方

発酵食品で日和見菌を活性化するのが健康への近道です

私たちの腸には100兆個もの細菌がすんでいるといわれ、菌の働きでつくられる発酵食品は、腸内環境と深い関わりがあります。腸内細菌は大きく3つに分けられ、乳酸菌、ビフィズス菌など体に良い働きをするものを「善玉菌」、ウエルシュ菌など体に悪い働きをするものを「悪玉菌」と呼び、どっちつかずのものを「日和見菌」と呼びます。腸内の善玉菌:悪玉菌:日和見菌の理想的なバランスは2:1:7。日和見菌は善玉菌・悪玉菌のうち勢力が優勢な方に味方すると考えられているので、日和見菌がどちらに味方するかが健康を左右するカギ。例えば、日和見菌の一種、土壌菌の仲間でできている納豆などがおすすめです。(藤田先生)

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「酢キャベツ」で「ヤセ菌」を増やしてやせやすい体になる!

腸内細菌のうち、日和見菌と呼ばれるものの中に「デブ菌」と「ヤセ菌」がいます。デブ菌は悪玉菌、ヤセ菌は善玉菌と仲が良いと考えられ、やせている人にはヤセ菌が多いことが分かっているのです。暴飲暴食をしていると腸内にデブ菌が増殖し、やせにくい体質になってしまっているということも。そこでヤセ菌を増やす発酵食品としておすすめなのが、「酢キャベツ」。酢に含まれる酢酸は脂肪の吸収を抑制し、また脂肪の燃焼を促進。殺菌力も高く腸内の悪玉菌を減らしてくれるので、腸内環境を整えるのに最適です。そしてキャベツにはヤセ菌の好物である食物繊維が含まれています。(藤田先生)

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発酵食品で善玉を優位にすると、"幸せホルモン"が増加します

ヨーグルトやチーズ、納豆やみそ、しょうゆに含まれる「トリプトファン」という成分。必須アミノ酸の一種で、心の健康に影響しています。人が幸せを感じる時に脳で分泌される神経伝達物質「セロトニン」、通称"幸せホルモン"の原料となるのです。トリプトファンは腸内細菌の力でセロトニンの前駆体となり、かつ腸内細菌の力で腸から脳へと届けられています。さらにセロトニンを生成するうえで必要なビタミンも腸内細菌の力で合成されています。発酵食品を食べて、ハッピーな生活を手に入れましょう。他にも、乳酸発酵食品の漬物に含まれる成分、「GABA」もリラックス効果が得られるといわれていておすすめです。(藤田先生)

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マイ乳酸菌と相性の良いヨーグルトを見つけましょう

健康のため、乳酸菌を含むヨーグルトを食べるという人は多いのでは? 乳酸菌は1種類の菌ではなく、ビフィズス菌、ブルガリ菌、ガゼリ菌など多様にあります。腸内細菌の種類は個人個人で異なり、個人がもつ乳酸菌"マイ乳酸菌"の種類により、合う乳酸菌は異なります。腸内環境を整えるのには、マイ乳酸菌に種類が似た相性の良い菌をとり込む方がよいのです。マイ乳酸菌に会うヨーグルトを見つけるには、まず同じ種類のヨーグルトを2週間食べ続けること。便通や肌の調子など体をよく観察し、改善していればそれがあなたに合う乳酸菌です。変化がなければ別のヨーグルトを試してみましょう。(藤田先生)

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「腸活」成功へのコツは発酵食品、食物繊維、オリゴ糖です

微生物が生み出す発酵食品は腸内細菌を活発にしますが、「腸活」(腸に良い活動をすること)にはポイントがあります。1つは「いろいろな発酵食品を少しずつ、毎日食べること」。発酵食品には多様な菌が含まれています。腸内細菌も多様な菌からできているので、とり込む菌の種類が多い方が腸内細菌を活発にすることができます。2つめは「善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖をとること」。食物繊維やオリゴ糖は腸内細菌のエサになるからです。偏った食事をやめて、発酵食品や食物繊維をとって腸活に励みましょう。(藤田先生)

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「ファスティング」が体に良いのは腸内環境をリセットしてくれるから

「ファスティング」とは、「発酵ドリンク」や「酵素ドリンク」を飲んで水分やカロリー、ビタミンを補給しながら断食をする健康法です。ファスティングが体に良いといわれるのは、悪い腸内環境をリセットしてくれるから。断食で腸に食物が送られなければ、悪玉菌はエサを得られずに増殖することができなくなります。その状態で発酵ドリンクを飲むことで善玉菌を増やそうという仕組みです。完全に断食すると腸内細菌も弱ってしまいますが、発酵ドリンクで必要な栄養を補給するという考え方は、理にかなっています。しかし過度な断食は健康を損なう恐れがあるので、専門家の指導のもとで行うのが望ましいです。(藤田先生)

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納豆やみそで、更年期障害を緩和する「エクオール」ができる!?

腸内細菌が大豆イソフラボンからつくり出す成分「エクオール」が注目されています。エクオールは大豆イソフラボンよりも働きが強く、更年期障害の症状の緩和などに有効だと考えられているからです。エクオールをつくり出したいなら、大豆製品の納豆やみそがおすすめです。ただし、腸内細菌の種類は個人により異なるため、腸内でエクオールを生成できる人は、日本人だと約2人1人といわれています。しかし大豆イソフラボンも同様の働きをするので、納豆やみそを食べることは無駄にはなりません。最近はエクオールのサプリメントも開発されているので試してみるのも良いでしょう。(藤田先生)

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前橋健二(まえはし・けんじ)先生

1969年生まれ。東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授。1994年東京農業大学農学研究科醸造学専攻修士課程修了、1999年博士号取得(農芸化学)。味や香りなど発酵調味料の特性をさまざまな科学的なアプローチにより研究している。著書に『旨みを醸し出す麹のふしぎな料理力』(共著、東京農業大学出版会)など。テレビや雑誌でも活躍中。

 


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藤田紘一郎先生

1939年、旧満州生まれ。東京医科歯科大学卒業。東京大学医学系大学院修了、医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、東京医科歯科大学名誉教授に。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。2000年にヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。著書に『9割の病気は腸で治せる!(中経の文庫)』(KADOKAWA)、『病気にならない乳酸菌生活』(PHP研究所)、『最新!腸内細菌を味方につける30の方法』(ワニブックス)など多数。

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