これを食べれば「ヤセ菌」が増える! 腸内環境を整える最強発酵食品とは/発酵食品

pixta_37877789_S.jpg酒かす、漬物、ヨーグルト...食卓には発酵食品があふれています。特に日本ではみそやしょうゆなどを調味料として多用しているので、気付かないうちに、私たちは日々発酵食品を口にしています。そしてそれらが"体に良い"ということを、私たちは経験から知っています。では、いったいどのように体に良い作用が起きるのでしょうか。

発酵食品は微生物の代謝によってつくられています。微生物とは、いわゆる菌のこと。その菌類が腸内環境と深いかかわりがあるのです。発酵食品がどうして体に良いか、どのような良い作用があるのか、腸研究の第一人者・東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生に伺いました。

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太る原因はカロリーだけじゃない! 発酵食品でヤセ菌を増やしましょう

ダイエットをしてもやせにくい人や、同じような食事をしても太りやすい人とそうでない人がいます。その体質の違いには、腸内細菌がかかわっていることが分かっています。なんと、太りやすくなる腸内細菌が存在し、それには食生活が大きく影響しているのです。
腸内細菌は腸に良い影響を与える善玉菌、体に悪い働きをする悪玉菌、どっちつかずの日和見菌の3種に分類されます。
「この3つのうち日和見菌には、デブ菌とヤセ菌がいます。私たちの腸内環境は個人により異なりますが、太っている人にはデブ菌が、やせている人にはヤセ菌が多いことが分かっています」と藤田先生。

日和見菌は善玉菌・悪玉菌のうち勢力が優勢な方に味方するため、腸内フローラの環境を整えるのに重要な役割を果たします。

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日和見菌の多くは悪玉菌と仲の良いフィルミクス門と、善玉菌と仲の良いバクテロイデス門に分かれ、前者をデブ菌、後者をヤセ菌と藤田先生は名づけました。バクテロイデス門は腸内の免疫力を強化する短鎖脂肪酸を作り出しますが、この短鎖脂肪酸は腸内フローラを整えるのに不可欠なものです。逆にデブ菌であるフィルミクス門は排泄されるべき食物まで栄養としてとり込んでしまいます。

腸内フローラの違いには、食生活が大きく関わっています。
「興味深い研究発表に、アフリカ原住民と、都市生活をしているイタリア人の健康な子どもの腸内フローラを比較したものがあります。食物繊維が多く低カロリーの食事で育ったアフリカ原住民の子どもの腸内フローラではヤセ菌(バクテロイデス門)が優勢。食物繊維が少なく高カロリーの食事で育ったイタリア人の子どもの腸内フローラではデブ菌(フィルミクス門)が優勢だったのです」(藤田先生)
揚げ物を好んで食べたり、カロリーの高い食事をしたりなど暴飲暴食をしていると、いざダイエットと思っても腸内にはデブ菌が増殖していて、やせにくい体質になってしまっているということなのです。

では、ヤセ菌を増やすにはどのような食事をしたらよいのでしょう。
それは腸内細菌のエサとなる食物繊維をとること。そして発酵食品をとることです。
「人の体の短鎖脂肪酸は主に酢酸、プロピオン酸、酪酸の3種類です。特に、酢酸を含む"酢"は短鎖脂肪酸を生成するのに役立つと考えられます」(藤田先生)

 
最強のやせる発酵食品は、酢キャベツ

ヤセ菌を増やす発酵食品として藤田先生がお勧めするのが、一時期ブームにもなった「酢キャベツ」です。酢キャベツはせん切りしたキャベツを酢漬けにしたもので、ドイツの漬物・ザワークラウトに似ています。

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「酢に含まれる酢酸は脂肪の吸収を抑制し、また脂肪の燃焼を促進してくれます。殺菌力も高く腸内の悪玉菌を減らしてくれるので、腸内環境を整えるのに最適です。そしてキャベツにはヤセ菌の好物である食物繊維が、不溶性と水溶性と、バランスよく含まれています。あるテレビ番組で出演者4名に実際に試してもらったのですが、毎食、食前に100gずつ食べてもらったところ、食べ始めて2週間で、4名とも体内のヤセ菌が増殖しました。
毎食100gを食べるのは少々大変ですが、毎日少しずつでも食べれば腸内環境はゆるやかに改善されるでしょう」(藤田先生)

酢にはほかにもさまざまな健康効果が期待できます。酢酸は血管を柔らかくして高血圧の予防をしたり、腸の蠕動運動を促進して便秘を解消する働きがあります。クエン酸やアミノ酸は疲労回復にも効果的です。

藤田先生おすすめの酢キャベツを試してみませんか?

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取材・文/ほなみかおり

 


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藤田紘一郎先生

1939年、旧満州生まれ。東京医科歯科大学卒業。東京大学医学系大学院修了、医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、東京医科歯科大学名誉教授に。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。2000年にヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。著書に『9割の病気は腸で治せる!(中経の文庫)』(KADOKAWA)、『病気にならない乳酸菌生活』(PHP研究所)、『最新!腸内細菌を味方につける30の方法』(ワニブックス)など多数。

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