尿1滴でがんのリスクを判定できる!? 「線虫がん検査」ってなに?

尿1滴でがんのリスクを判定できる線虫がん検査「N- NOSE(エヌ ーズ)」の研究・開発・販売を行うHIROTSUバイオサイエンスが、個人向け新サービスを2020年10月末にスタート。がんの早期発見に役立つと期待を集めています。そこで株式会社HIROTSU バイオサイエンス 代表取締役の広津崇亮(ひろつ・たかあき)さんに「線虫がん検査」について教えていただきました。

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ことし1月に実用化した「N- NSE(エヌ ーズ)」は、線虫という生物を使ってがんのリスクを判定する検査。

これまでは法人や特定の医療機関での検査が中心でしたが、10月末より、個人向けサービス「GoTo N-NOSE」を始めました。

検体を直接持参する必要があるため、まずは東京、福岡の2カ所で受付を開始。

「N-NOSEは、がん患者の尿に集まり、健康な人の尿からは離れるという線虫の性質を利用し、がんのリスクを判定します。線虫ががんを見分ける感度は86.3%と高精度で、ステージ0~1の早期がんにも反応します。一度で全身のがんリスクを調べることができ、1次スクリーニング検査()として利用してほしい」と、広津崇亮さん。

N-NOSEは現在、15種類のがんのどれかがある可能性を調べられますが、がん種やステージの判定はできません。

「もしも検査でがんの疑いがあると出たら、まずは5大がん検診を受けてください。また、リスクが低い場合も、年に1回など定期的に検査することで自分のリスクを把握できます」(広津さん)。

また、特定のがんだけに反応する線虫も開発中だと広津さん。

「すでに膵臓がんをターゲットにした特殊線虫の実用化に向けて研究中で、2022年の実用化を目指しています」多忙でがん検診を受ける時間がない人などが、がん検診の入口となる検査として利用してみるとよさそうです。

※迅速に結果が得られる簡便な検査を行うことで、集団の中から特定の病気が疑われる人を選び出すこと。

健康な人の尿と、がん患者の尿に対する線虫の反応の違い

[健常者尿の場合]

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[がん患者尿の場合]

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●線虫 C.elegans(シー・エレガンス)

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線虫の体長は約1mm。線虫は健康な人の尿からは離れ、がん患者の尿には近づきます。

【個人向け線虫がん検査の流れ】

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取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 

 

<教えてくれた人>
株式会社HIROTSU バイオサイエンス 代表取締役
広津崇亮(ひろつ・たかあき)さん
博士(理学)。1997年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。翌年同大学院博士課程入学、線虫の研究開始。九州大学大学院理学研究院助教などを経て2016年より現職。

この記事は『毎日が発見』2020年12月号に掲載の情報です。

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