自分を責めず、人をうらやまず。自分の人生を生きる/コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める(3)

新型コロナウイルスの報道や、自粛要請が繰り返し行われる中、心身ともに不調をきたしてしまう「コロナうつ」患者が急増。つらいと感じたら一度立ち止まり、プカプカと浮いたような気分になってのんびりしませんか? 著者は精神科医として活躍している藤野智哉医師。『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める - みんな不安。でも、それでいい -』(ワニブックス)より、心が鎮まる思考方法を連載形式でお届けします。

【前回】あきらめも大事。人はみんな無力だと自覚しよう。/コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める(2)

【最初から読む】「コロナうつ= うつ病ではない」心が楽になるコツ/コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める(1)

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自分を責めない
他人をうらやまない

子供と話していると「ずるい」という言葉を多用する子が多いことに、あるとき気がつきました。
友達がアイスを食べていたり、新しいボールで遊んでいるのを見ると「ずるい」と言う。
別にその子供が不正をしてそれらを手に入れたわけではないのですから、「ずるい」という言葉が不適当であることはわかります。
きっと、友達がよい思いをして、自分だけが損をしているような感覚になるのでしょう。
この根底には、みんなで仲良く楽しく遊びましょう。という教育があるのではないでしょうか。
その風潮は大人になっても残っています。
共産主義とは違いますが、みんな平等で、みんなつらい思いをするのがいい。
女は黙って男の後ろをついて歩き、艱難辛苦を黙って堪えるのが男の美学とされた時代もありました。
現在でも、個性的な発言をする人はすぐに叩かれたりしますよね。
これも、同じ原理かもしれません。
男性顔負けの気が強い女性や、自分を美しく見せることにこだわる男性が変わり者扱いされたりもします。
個性が美徳と言われたのはもはや過去の話。
今の日本社会はこの均一化、同調圧力が改めて強くなっている気がします。

うらやましい=ずるい

子供の「ずるい」という口グセは、「うらやましい」に変換できると思います。
「おいしそうなアイスでうらやましい。だって私はアイスが大好きだから」
「ボール遊びをしてうらやましい。僕は昨日からあのボールを使いたかったのに」
「ずるい」という言葉を使うときは、単純にうらやましいと思っていることが多いのではないでしょうか。
個人的な感想ですが、「うらやましい」と「ずるい」ではずいぶん感じ方に違いある気がします。
私は他人を見て「うらやましい」と素直に言える子供をほほ笑ましく思えます。
ただ、子供でも大人でも、「ずるい」と言うときには、自分にもその快楽や権利を享受させろという無言のプレッシャーが込められています。
「ずるい」という言葉は相手への非難が込められていますから、言われた方は良い気分はしません。
ずるいと言われた方は、後ろめたい気持ちが生まれるので、ずるいと言った相手に、何か分けてあげなければと思うかもしれません。
そうなったら言った方の勝ちですよね。
「ずるい」と言えば分け前にあずかれる。「人がいい思いをしていたらずるいと言えばいいんだ」と強く刻み込まれるでしょう。

人類皆平等は嘘

だけど大人になると、ずるいと言っても、何かいいことがあるわけではありません。
「あの人は実家がお金持ちでずるい」。お金があるからお取り寄せもできて、本もたくさん買える。
いい服だって買える。
「あの人はいい大学を出ているからって出世コースに乗れてずるい」
ずるいという言葉を発する度に、あなたは自分の心が貧しくなっていることを感じます。
だけど、うらやましいものはうらやましい。
思わず「ずるい」という言葉を使ってしまう自分のことも好きになれないでしょう。
そんなときに、他人と自分を比べてはいけない、と言う人がいます。
自分は自分。
だけど、その言葉を聞けば、よりいっそう、他人と比べて自分がいけてないという気持ちが、ますます萎縮させますよね。
比べていやなのは、妬んでもその根源が解決しないということ、妬んだだけ、自分が悲しくなる。
それでも繰り返してしまう。
そして、不平等を訴えることが弱者を代弁している気がしてだんだん気持ち良くなってくる。
その辺りになると、目的は自分のいる環境の改善ではなく、相手を引きずり下ろすことになってしまう。
不景気になると、すぐに「公務員の給料を下げろ」という論調を振り回す政治家が現れ、世間から喝采を浴びてテレビや新聞を大いににぎわせますが、本当にそれでいいのでしょうか。
誰かの給料を下げること以上に、社会全体の給料を上げることが大事だと思うのです。
誰かを引きずり下ろすことに成功したという体験は、次の獲物を探していくでしょう。
ずるいという価値観が蔓延していくのです。
パソコンやスマホに張り付いて、芸能人の投稿に難癖をつける人もいます。
こんな時期に不謹慎だという不謹慎狩りもそれと同じ構造でしょう。
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藤野智哉

1991年生まれ。4歳のときの川崎病の後遺症で冠動脈障害が残る。秋田大学医学部卒業。

現在は愛知医科大学病院精神神経科勤務。日本精神神経学会、日本マインドフルネス学会に所属。

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『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める – みんな不安。でも、それでいい –

(藤野 智哉/ワニブックス)

新型コロナウイルスへの不安から、心身に不調をきたす「コロナうつ」が急増。つらいと感じたら一度立ち止まり、ぷかぷかと浮いたような気分でのんびりしてみては?著者は心臓に病をもちながらも、精神科医として活躍している藤野智哉医師。精神科医は伝える、魔法のように心を鎮める思考方法。

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※この記事は『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める – みんな不安。でも、それでいい –』(藤野智哉/ワニブックス)からの抜粋です。
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