どうせ死ぬなら、どうせ一度きりなら、私はとことん足掻いて、自分らしく生きていきたい/マインドトーク(8)

年を重ねてゆく中で、誰にも相談できない悩みを抱えている方や、子供の気持ちがわからない...と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。SNSで注目を集める臨床心理士・みたらし加奈さんは、そんな人にぜひ「マインドトーク(自分との対話)をしてほしい」と言います。そんなみたらしさんの心理学エッセイ『マインドトーク あなたと私の心の話』(ハガツサブックス)より、「彼女が歩んできた人生の物語」を8日間連続でご紹介。きっと、あなたの悩みを軽くする助けにもなるはずです。

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明日死ぬかもしれない私の「有限」を探す旅

「明日、自分が死んだらどうなるのだろう?」

そんなことを考えた経験はないだろうか。

私は何度も何度も、その問いについて考えたことがある。

事実として、人はいずれ死ぬ。

どんなに生きていたって、どんなに素晴らしいことをしたって、寿命は平等に、私たちにわけ与えられている。

そんなことは誰だって知っているはずだ。

しかしながら、「死」について実感を持って感じている人はどれくらいいるだろう。

私たちはつながっている 「時間の有限性」というものはいつだって、悲しみを想起させやすい。

そこに「限り」があるから、私たちは人生について考えられるのかもしれない。

「死」があるからこそ、人生は豊かになれる。

「死」があるからこそ、今日もあなたを大切に思える。

もしも人間が「死」を乗り越えてしまう方法を見つけてしまったとしたら、私はきっと深く絶望をすると思うのだ。

人生は思っているよりも短く、儚い。

それは自分自身の人生だけではなく、あなたの大切な人の人生も同じだ。

自分の死から逆算して物事を考えた時、人生を尊く思う人もいれば絶望をする人もいると思う。

未曾有の天災や未知のウイルスが驚異的に蔓延し、多くの人にとって「死」が身近な存在になり、自分の生きている世界について疑問を投げかけるタイミングもできた。

人生とはなんだろう。

もしかしたら、あなたにとっては「軽い」ものなのかもしれない。

しかし私にとってはあなたの生きている時間、こうして呼吸をし、瞬きをしているその瞬間のすべてが重く、尊い。

「何も知らないだろ」と思うかもしれない。

おこがましいのはわかってはいるが、伝えさせてほしい。

生命を維持できている限り、あなたにはあなたらしく生きていってほしい。

頭の先から爪の先まで、あなたはどこまでもオリジナルで、世界中のどこを探したとしてもあなたの「替え」はいない。

あなたが善人だろうが悪人だろうが、優しくても意地悪でも、あなたの関わってきた物事すべてにその痕跡は残されている。

家族との関係性に苦しんでいる人、「自分で自分を傷つけること」がやめられない人、自分の性別に疑問を感じている人、将来が見えない人、自分の「愛」がわからなくなってしまった人、居場所がない人、差別に傷つけられた人、病に苦しむ人、愛する人を失った人、他人と比べられてしまう人、性被害の記憶に苦しんでいる人、自分のことが大嫌いな人、傷ついた人、傷つけられた人......あなたたちはみんなサバイバーだ。

そして、私たちはつながっている。

すべての物事は「他人事」ではなくて、「あなた自身のこと」なのだ。

だから、あなたは決して1 人ではない。

どうせ死ぬなら、どうせ一度きりなら、私はとことん足掻いて、自分らしく生きていきたい。

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【まとめ読み】『マインドトーク』記事リスト

mindtalk_H1_obi_001.jpg5章にわたって、みたらし加奈さんが自身の体験記やお悩み相談への回答を通して、悩みを抱える人々へ「生きる選択肢を広げる」ヒントを教えてくれます。

 

みたらし加奈(みたらし かな)

1993年、東京都生まれ。臨床心理士。SNSを通して、精神疾患の認知を広める活動を行なっている。大学院卒業後は、総合病院の精神科にて勤務。現在は、フリーランスの活動をメインに行っている。女性のパートナーと共にYoutubeチャンネル「わがしChannel」も配信中。

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『マインドトーク あなたと私の心の話』

(みたらし加奈/ハガツサ ブックス)

誰にも相談できない悩みを抱え、精神的に疲れてしまった…そんなあなたは、生きる選択肢を広げるために「マインドトーク」をしてみませんか? 自分と対話し、もう一度「生きる」と向き合ってみることで心がフッと軽くなるかもしれません。SNSで注目を集める臨床心理士・みたらし加奈さんが、自身の体験を包み隠さず伝えることで、悩みを抱えるすべての人たちとの対話を試みる、話題の一冊です。

※この記事は『マインドトーク あなたと私の心の話』(みたらし加奈/ハガツサ ブックス)からの抜粋です。
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