近眼だと老眼にならないと思っていたけど...。近視、乱視のうえに老眼に

小学校の高学年のとき、視力が格段に落ちました。暗い所で読書をしていたのもありましたが、それ以上に猫背がひどく、本やノートに顔がくっつきそうな姿勢で読み書きを繰り返していたせいかもしれません。小学5年生の視力検査では、前年まで裸眼で1.5あった視力は1.0を切っていました。そして、相変わらず悪い姿勢のまま暗がりで読書を続けた結果、小学校6年生の時には0.2、3まで視力が低下しており、眼鏡をかけはじめました。中学1年生の時はとうとう0.1の壁も突破して0.05という視力に。眼科医には「あなたは教科書以外に読んではダメ。成長期でまだまだ下がる可能性が高いから」と、読書好きだった私を谷底へ突き落とすようなことを言われてしまいました。
幸いなことに視力はそれ以上下がらず、コンタクトレンズで視力を矯正することで、そこまでの不自由を感じることもなく過ごしていました。

転機が訪れたのは、私が30歳過ぎた頃。物が二重に見えたり、ぼやけて見えたりし始めたのです。最初は眼精疲労が原因だろうと思っていました。しかし、そんなに疲れていなくても物がぶれて見えていたので、また行きつけの眼科に行ったところ「乱視が出てます。そんなにひどくはないですが、軽くもありません」と中程度の乱視との診断がおりました。早速、眼鏡も近視と乱視の対応型に作り変え、もちろんコンタクトレンズもそれに準ずる形で揃えました。そして33歳の時に37歳の夫と結婚し、しばらくは穏やかな日々が続いていました。

しかし、4年前、私が45歳の時です。夫が49歳になってすぐに悪性リンパ腫になり、2年後に帰らぬ人となりました。そんなことがあり、自分の目の調子なんて気にとめる余裕もなく過ごしてしまっていました。でも、さすがにスマホのメールの文字がぼやけて読めなくなったことに不安を感じ、50歳を迎える今年になって老眼検査をしてもらうことにしました。

眼科医からはっきりと「老眼」と診断されるのは精神的に辛そうだ、と、眼鏡売り場で簡易的に老眼判定を受けました。結果は、やはり老眼。店員さんに「近眼だと老眼にならないって聞いたんですけど」と聞いたら、とても気の毒そうな顔で「それは迷信です。老眼というのは目の老化で、レンズを調整する筋肉の衰えから起きることで、近眼の人も筋肉は衰えます」と答えられてしまいました。

「老化」という言葉は、言われてみると予想以上にショックなものでした。現実を突きつけられ、その日はどうやって家に帰ってきたかもよく覚えていないくらいのあり様でしたが、その後そこのメガネ屋さんで遠近両用（乱視付き）の眼鏡を作り、再びものがよく見えるようになりました。
まだまだ慣れてなくて、近くを見る時に、妙に顎を上げてしまいますが、何よりよく見えることと、頭痛の頻度が減り痛みが軽くなったのことが最大の収穫でした。

老化と言われて気持ちは落ち込みましたが、落ち込んで終わりにしないでよかったです。今まで疎かにしてきた自分の体のことを、些細なことでも真剣に考えるようにしなければいけないと考えるようになりました。これがここ最近での、私の中での大きな変化かもしれません。

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