「主治医がかけてくれた言葉」に涙が止まらなかった日。「母の看取り」ずっと心残りだったこと...<後編>

「末期がんに冒されながらも最後まで力強く生きた母。そして、母に最後まで寄り添ってくれた主治医。母が亡くなってから1年後、感謝の気持ちを伝えたいと思い、診察室を訪れることにしました。そこで主治医からかけてもらった言葉に妹と号泣してしまって...」

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■入院して4日後に天国に旅立った母

おそらく相当しんどかったのだろうと思いますが、絶対しんどい、辛いなどと言う人ではありませんでした。

診察で名前を呼ばれると、母は「歩いて先生のとこまで行くわ」と言って車椅子を降り、足も相当浮腫んでいたのにゆっくり自分で歩いて診察室に入りました。

笑顔で「先生、こんにちは」と入っていったその姿は、とても母らしい姿でした。

先生の前ではしゃんとしていたかったのだと思います。
その日、母は先生から「ちょっと体を休めるために入院しようか」と言われました。

先生には、次に入院するときは覚悟しておいたほうがいいと言われていたのでとても辛かったのですが、そのまま入院し、そして4日後に天国に旅立ってしまいました。

先生には、最後に診察していただいた日からちょうど一年ぶりにお会いしました。

私は、先生に最期のとき母は痛かったのか、余命を告げなかったことはよかったのか、ということを聞きました。

すると先生は、「最後は意識も薄らいで、おそらく苦しんだりはしていないと思うよ。お母さん、よく頑張らはったよ。きっと、最期だということはご自分でわかってはったと思うよ」。

言われた途端、私は妹と号泣してしまいました。

母はきっと「頑張った」と言ってもらえたこと、先生に褒められたことが嬉しかったと思います。

母が最後まで力強く生きたことは私の誇りであり、生きていく手本になりました。

そして、母と私たち家族に最後まで寄り添ってくれた先生には感謝してもしきれません。

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