「悪いところは全部持っていってくれたんだね」愛犬の死後、母に起きた「不思議な変化」とは<前編>

「10年前に父が亡くなって以来、80代の母は一人暮らしをしています。経営していたお店をやめたことや、飼っていた老犬のクーの散歩回数が減ったことが原因なのでしょう。母は元気がなくなっていきました。そんな母を心配していた矢先、クーが亡くなりました」

「悪いところは全部持っていってくれたんだね」愛犬の死後、母に起きた「不思議な変化」とは<前編> 10.jpg

■痩せて、気力の感じられない母を心配していた矢先...

80代の母は、10年ほど前に父を亡くしてから一人で暮らしています。

近くに兄夫婦も住んでいて、しょっちゅう顔を見せてはいるものの、毎日寂しい寂しいと言っていました。

当初は自宅で簡単なお店をしていたので、お客さんと話して気を紛らわせることもできたのですが、軽い認知症のような症状が現れたことを心配して、お店をたたむことにしたのです。

幸い認知症はたいして進行することもなく今に至っているのですが、お店もなくなって母はますます気落ちしていまいました。

父が元気なときに飼い始めた柴犬も、父がいなくなったことのストレスでだんだん目が見えなくなってしまい、それも母を悲しませる一因にもなりました。

「クー(犬の名前)が死ぬまではわしは死なないからな」と口癖のように言っていた父を思い出しては「クーより先に死んでしまうなんてじいちゃんは嘘つきだ」と犬に話しかけては泣いていました。

犬も年をとり、歩きたがらなくなり、散歩に出ることもなくなった母は、日に日に動くことが少なくなりました。

それに伴って食欲もなくなり、ただベッドに横になってテレビを眺めているだけの日々が続きました。

1人で入浴しようとして転倒したのを心配してデイサービスの利用をすすめても「行きたくない」の一点張りです。

だんだん痩せてきて、気力の感じられない母を見て、これはいよいよ入院でもさせないといけないのでは? と兄とも相談していた頃、愛犬クーが亡くなりました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP