「私たちにも権利がある」親族間の醜い財産の奪い合い、そしてその後は...えっ?<前編>

「私の母が経験した相続に関するエピソードです。姉妹で揉め事は避けてほしいと願い、祖母が書いた遺言書はまったくもって無駄となりました。今後の教訓にしたいと思っています」

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■遺言書の内容は反故!? 3姉妹で財産をめぐってトラブルに

今から40年前、母方の祖母(享年78歳)が亡くなったときに起きた相続争いの話です。

母は3姉妹の長女でした。

勉強はよくできたそうで、地元でも有名な進学校を卒業しました。

ただ、母は姉妹の中では飛びぬけて「世間知らずのお嬢様」でした。

俗に言う「いい人」なのだと思います。

一方、母の妹2人(私にとっては叔母)は、勉強はあまりできませんでしたが、ちゃっかりしていて、したたかなところがありました。

世間知らずで人のいい母は、口が上手でしたたかな2人の叔母たちの言われるがままでした。

相続のときも同じ対立構造になり、母と2人の叔母で大騒動が起きました。

まず、祖父(母の父親)が亡くなったときです。

このときは、母と叔母たちは相続放棄したため、祖母がすべての財産を相続しました。

1人残された母親に対しての親孝行のつもりだったのでしょう。

大きなトラブルもなく祖母が祖父の財産を相続。

祖母の面倒は母が見ることになり、私たちは祖母と20年ほどの間、一緒に生活しました。

そうして私たち家族は、祖母の家に住むことになったのです。

晩年は介護もあり、私たち家族が協力して祖母の生活をサポート。

私の父も祖母の面倒をよく見てくれました。

そして祖母が亡くなった後、相続争いが始まりました。

祖母は娘たちの間で騒動が起こらないように、正式な遺言書を残していました。

不動産は母が相続し、残ったお金は3人で同等に分けるという遺言でした。

不動産(家)の相続人を母としたのは、母が長女であること、そして一緒に暮らしてきた母への感謝だったと思っています。

しかし、正式な遺言書があったにも関わらず、思いもよらぬトラブルに発展したのです。

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