「父の家事の負担を減らそうと学校帰りにお惣菜を買ってバスに乗った私。しかし、その匂いに腹を立てた他の乗客に怒鳴られてしまいました...」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■学校帰りのバスで年配の男性に怒鳴られ...
高校生の頃、専業主婦である母(当時40代)が体調を崩したことがありました。
代わりに父が家事をするようになったのですが、毎日忙しく働き、ほとんど家事をしたことがない父に負担をかけたくなかったため、私は学校帰りにスーパーでお惣菜を買い、バスに乗りました。
夕方のバスはやや混雑しており、仕事終わりの人も多かったと記憶しています。
私がバスに乗り込んでしばらく経ったころ、1人の年配の男性が「なんか匂うな...」とブツブツ言い始めました。
その後も聞こえるか聞こえないかの声で文句らしき言葉を言い続け、ついに「なんか食いモンの匂いがするな! 臭いんだよ!」と怒鳴り始めました。
私はとっさに「あ、私のお惣菜だ...」と思い、息をひそめました。
男性は睨むように乗客の荷物を見渡し始めました。
そして、私のスーパーの袋を見つけると「大勢が乗るバスにそんなもん持ち込むなよな!」と、私に向けて大声をあげました。
まだ10代半ばの私は、言い返すこともできずにおびえるばかりでした。
■男性がいなくなっても恥ずかしい気持ちは消えず...
しばらくして男性はバスを降りていきました。
ほっと胸をなでおろしましたが、思春期真っただ中の私は男性がいなくなったあとも恥ずかしい気持ちが晴れることはなく、自宅の近くのバス停よりもいくつか前でバスを降りました。
悔しい気持ちとなんとも言えない悲しい気持ちを抱え、とぼとぼと歩いて帰りました。
家に着く頃にはすっかり暗くなり、もともと冷たかったお惣菜がさらに冷たくなったように感じました。
家に到着し、「おかえり」と笑顔で迎えてくれた父の顔をみたときには、安堵で涙があふれました。
その後、母の体調は回復し、いつも通りの生活に戻りましたが、同じバスに乗るたびにあの男性とそのときの恥ずかしい気持ちを思い出し、しばらくモヤモヤした気持ちが消えませんでした。
最近電車のなかで、某ファストフードの紙袋を申し訳なさそうに持っている若者を見かけました。
私は「あの日」の自分を思い出し、「大丈夫、気にしないで」という気持ちを込め、その若者にあたたかい眼差しを送り続けました。
しかし、よく考えてみると、見ず知らずのオバサンから得体の知れない憂いを帯びたまなざしを送られたら、それはそれで気持ち悪かっただろうなと、あとから反省しました...。
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