「シングルマザーとして働きながら子どもを育てた私。大変だったろうって? いえいえ、結婚した頃の、口を出すけど金は出さない義両親と、何の頼りにもならない夫との生活に比べれば、自分で何かを決められる生活は、大変だけど幸せでした。そんな私の字僕の結婚生活の思い出、聞いてもらえますか?」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
いったい私は誰の子を生もうとしているのか...。
何一つ利便性を感じない場所に引っ越ししたくないと、私なりに精一杯反論しましたが、私の主張を夫も義両親も聞こうともしません。
「好きに働かせてやろうと思って好意で言っているのに、なんてわがままな嫁だ」
などと言われてしまい、お腹の子にストレスがかかるのがかわいそうでそれ以上言い返すのを止めました。
平日はがっつりと仕事、胎動も始まった大きなお腹を抱えてようやく迎える週末。
それなのに、車で1時間の実家に呼び出され、周辺の空き家探索というルーティンが妊娠後期に繰り返されました。
初めての妊娠なのに、落ち着いて家でのんびりすることもできないなんて、あり得ない...。
でも夫にそれを訴えたても「父母はお前のためを思って引っ越しを勧めてくれているのに」というだけで、義父母の所へいそいそと私を連れて行きます。
私の味方にはとうていなりっこありません。
引っ越す前から、お腹の子も私も大切にされてないなと感じるところへ行って大丈夫なのか...不安ばかり募りました。
誰にも分かってもらえないまま、家探しは粛々と強行され、臨月直前に義両親と夫のお眼鏡にかなう物件が出ました。
敷地はそこそこの広さでしたが、やたら庭の面積が広く、建物はちんまりした印象です。
その庭を手入れするのはいったい誰なの? という感じでしたが、その時点で家のことを考える余裕はありませんでした。
折しも時期は真冬、当然、物件内に暖房はありません。
寒さに震え、張るお腹を撫でながら早く帰りたい、そればかり思っていました。
結局、最後に見た物件を購入するに至ったのですが、築30年越えの中古住宅は、襖も畳もボロボロでリフォームしないと住めたものではありません。
新生児を抱えながら業者と相談し、少しでも住みやすいようリフォームを繰り返しました。
もちろん住宅ローンも改修費も私たちが出し、あれだけ口出しした義父母は一銭の助けもなし。
いったい、この家は誰が望んで手に入れたものなのでしょう...。
このときに感じた気持ちの悪い違和感は埋められることなく、夫とはその後離婚することになります。
私にとって嫌な思いしかない家は「元」がついた夫のものになりました。
離婚の際、家の所有権を争う夫婦もいるそうですが、何の未練もありませんでした。
離婚までいろいろありましたが、「あの家族、そしてあの家と離れられる!」という解放感は、今でも忘れられません。
漫画:すずはる/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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