「夫の財布からラブホテルの割引券が出てきました。問い詰めたところ不倫が発覚。そんな矢先に、義母が倒れてしまいました。しかし夫が不倫をやめる気配はなく...」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
義両親は我が家から車で10分ほどの距離に夫婦2人で暮らしていました。
義母が倒れたとき、義父(当時76歳)はちょうど留守にしていたため、発見が遅れたのが不運でした。
救急隊員の方々の懸命な救命活動のおかげで一命は取りとめたものの、結局意識が戻らないまま長い入院生活を余儀なくされました。
病院は完全看護とはいえ、義母の体の清拭や洗濯は家族の役目。
さらに持病を抱える義父の身の回りの世話や、病院の送迎など長男の嫁である私のやるべきことはいっぱいでした。
なぜ、私を裏切った夫の両親の面倒を見なければならないのか?
虚しく思ったのは一度や二度ではありません。
ただ、遠方から嫁いだ私に義父母はよくしてくれましたし、初孫にあたる息子のことも幼い頃からかわいがってくれました。
これは義父母への恩返し、今は夫婦でいがみ合っている場合ではない。
あの頃は、自分にそう言い聞かせて介護に徹していました。
幸い、義弟夫婦が私を気遣って手伝ってくれたので心身の負担はかなり減りました。
しかし、肝心の夫はといえば...不倫相手と別れる気配はなく、私がパート勤めに出ている土日を見計らって愛人との逢瀬を楽しんでいました。
なぜ分かったかというと、夫のスマートフォンに不倫相手との赤裸々なやり取りが残っていたからです。
スマートフォンのロックを解除する暗証番号は、一緒に買い物へ出かけたとき夫の手元を見て暗記していました。
夫婦とはいえ人のプライバシーを侵害するのは気が咎めましたが、裏切られてきた3年間を思うと何も知らないまま義両親の世話をするのは耐えられなかったのです。
もちろん、夫にはスマートフォンを盗み見ているとは言えなかったので、不倫相手との関係が続いているのを知っていると、暗に匂わせていました。
「私にだって心があるのだから、ひどいことをされたら傷つくんだよ」
そう訴えるも、夫は気まずそうに目をそらすだけ。
結婚生活を続ける気があるのなら、不倫相手と別れるようダイレクトに伝えても「すぐに別れるのはムリだから徐々に手を切るつもり」といってダラダラと関係を続けていました。
悶々とした思いを抱えたまま義両親の世話をすること1年8カ月。
まだ梅雨の明けきれない2020年7月の朝、義母は静かに息を引き取りました。
この間に夫への愛情はすっかり冷め、私の中ではある覚悟が固まっていました。
漫画:すずはる/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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