「我が家にやってきた黒猫は臆病で甘えん坊なかわいい子でした。私たちが守ってあげている、なんて思っていたのですが、命の危険のときに、助けてくれたのはあの子だったんです」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
この子は、とても勇気のある母猫でもありました。
避妊手術をする前に1回だけ子どもを産み、ハチワレの男の子だけを残しました。
子猫を引き連れて森に行ったある日、ラブラドールがこっちに向かってダッシュしてきました。
次の瞬間、彼女はラブラドールの鼻にかみついてぶら下がっていたのです。
駆け寄って来た飼い主さんは「驚かせてごめんなさい! この子、猫が好きなんで」と謝ってくれましたが、猫好きのラブラドールくんは寂しそうでした。
普段なら森で犬とすれ違っても素知らぬ顔なのですが、その日は子猫たちが襲われると思ったのか、自分の身を顧みず命がけで守ったのです。
そしてアパートが全焼する大惨事になった2度目の火事のときです。
原因は向かいの部屋のガス爆発。
目が覚めたときには、部屋に煙が充満していました。
とりあえず夫を叩き起こして2匹を探しましたが、どこにもいません。
警察官に早くアパートから出ろと促され、消防の電話で教えてもらったように、部屋を出るときに煙が入るのを防ぐため、濡れ雑巾を玄関のドアの下に詰めました。
あの子はもしかしたら、さっきドアを開けたときに逃げたのかもしれない、生きていてくれと願いながら、やむなく避難しました。
私や夫は猫たちの無事を祈ることしかできず、鎮火するまで気が気ではありませんでした...。
消防署のアドバイスのお陰で、階段とドアの表面は真っ黒な炭と化していたにもにもかかわらず、奇跡的にも私たちの部屋の中には火が入りませんでした。
火は結局4時間も燃え続け、鎮火後に5分だけ部屋に入れることになりました。
すると、いなかったはずのベッドの下から、その黒猫とハチワレの息子が出て来たのです!
子猫は怖がりでパニックになるタイプなので、おそらく母猫が安全なベッドの下に誘導したのでしょう。
一酸化炭素は上に行くので、低い場所にいた方が安全だということを本能で判断したんだと思います。
下手にウロウロしていたら煙を吸い込んで死んでいたと思います。
あの時、みんな生きてくれていて、本当に良かった...。
彼女はもう亡くなりましたが、私が人生で出会った中でもっとも知恵と勇気があった、尊敬すべき猫でした。
漫画:なみき/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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