「酒に酔って口を滑らせて、失敗する人っていますよね。私の父はまさにそんなタイプで、酔うと言わなくてもいいことを言って空気を悪くします。以前、親戚一同が集まる法事でもやらかしてくれました...」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
「お前さ、昔はちょくちょく金借りに来てたけど、今はもう大丈夫なのか? もう貸してはやれないけどな。ハッハハハハ~」
高笑いする無礼な父を完全無視してやり過ごすおばさん。
目の前ではそんなシュールな場面が展開していました。
見ていた私は「やっぱり連れて来るんじゃなかった」と後悔しかありません。
きっと、親戚のみなさんも同じ思いだったでしょう。
このあたりからなんとも言えない微妙な空気が漂い始めました。
しかし、ここで調子に乗った父はその場にいる人の秘密をペラペラしゃべり始めたのです。
笑い飛ばせる話も、どう考えても人前でしゃべるべきではないことも。
それを止めさせようと、「もうやめて! 人の秘密は言っちゃダメ!」と父に耳打ちしたのですが、勢いづいた父のおしゃべりを止めることは出来ませんでした。
そうこうしていると、自分の秘密を吹聴された人と父が喧嘩を始めました。
お互いにお酒を飲んでいるので、歯止めが効きません。
言った、言わない、嘘だ、ホントだと、激しい言い争いが続き、ついには周囲を巻き込んでの大騒ぎに発展。
そこに割って入り「もう帰ろう!」と父を引き離そうとしても断固拒否。
力で何とかしようにも勝てませんでした。
そんな状況に途方に暮れているときに...救い主は現れました。
父からすると兄嫁に当たる叔母、義理の姉が現れて、こう言ってくれたのです。
「ここは亡くなった人を偲ぶ場所。あんたの話をする場じゃない。場を考えなさい!」
その場にいた全員が背筋を正すほど、歯切れがよく小気味いい言葉でした。
これには父もビクッとなり、黙るしかありません。
父の実家の兄弟姉妹関係はどうやらかなりの縦社会のようなのです。
中でもこのおばさんがどうやら実力者。
この発言で争いはピタッとなくなり、ついには自分から「帰ろう」と言い出した父。
帰りの車中で一度も口を開くことはありませんでした。
この出来事以来、親戚の集まりに父が呼ばれることは激減。
父自身も行きたいとは言わなくなりました。
ちょっと少し寂しそうにしている父を見ると心がチクッと痛むのですが、これ以上親戚に迷惑をかけたくないという気持ちの方が勝ってしまう私なのです。
漫画:すずはる/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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