「お前なんか人間のクズだ」幸せで不幸せなモラハラ夫との結婚生活/吉澤恵理

皆さま、こんにちは。医療ジャーナリスト、薬剤師の吉澤恵理です。

前回のコラムでお話した「ビビビ婚」では、皆様から当時の「3K」信仰が幸せへのチケットではないという点で多くの共感をいただき、なんだか心強い思いがしています。読んでくださった読者の皆様、ありがとうございます。

今回は、ビビビ婚でリアルプリティーウーマンを夢見た私を待ち受けていた現実についてです。

前回記事:バブルの名残もあったあの時代...目の前に現れた王子様と「ビビビ婚」


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「お前なんか人間のクズだ」

「えっ」と耳を疑った私。

「お前なんか人間のクズだ」というその言葉は、元夫から浴びせられたものでした。
医師の元夫は、普段は温厚で優しく非の打ち所がない人でした。ところが自分が気に入らなかったり、思い通りにならないと、感情に火がついてしまう。今でいう「モラハラ夫」だったのです。

今となっては、夫が何をキッカケに暴言を繰り返したのかの全ては覚えていません。いつもほんの些細なことだったと思います。

覚えているキッカケの1つは、結婚して知った元夫の習慣でした。それは「睡眠薬」を常用していたこと。医師という仕事のストレスもあったのかもしれません。しかし、長年睡眠薬を服用していた元夫の睡眠薬の服用量は一般的な量よりも多く、薬剤師として妻として私は心から心配し、その習慣を正すよう何度も話し合いました。

しかし、睡眠薬に依存している元夫は歩み寄るどころか「俺は医者だ。薬についても体についてもお前の何倍も知っている。薬剤師の低い知識で医者の俺に意見するな。」に始まり、挙句は「お前は人間のクズだ。生きる価値もない。」と耳を塞ぎたくなるような罵声に変わるのです。

それからというもの夫のモラハラは、時折顔を出し私の心に蓋をしていったのです。


心に蓋をした14年

ことあるごとに元夫は私を罵り、生いたち、学歴、容姿、性格のありとあらゆることを非難しました。でも、モラハラする人は、普段はとても優しいんです。また、私がそうであったようにモラハラを受ける人は「自分が怒らせてしまっているんだ。私が悪いんだ。」という思考に陥っていくのです。モラハラが繰り返されるうちに私は、心に蓋をして生きる方法を無意識に身につけたのです。

「私は世界一幸せ。優しくて素敵なお医者さんと結婚した私は幸せ。」と自分に言い聞かせ幸せな妻を演じていました。

元夫は私が元夫以外の人と交流を持つことを快く思いませんでした。

その理由は、「俺とだけいれば十分にお前にとって得るものがある。他の人間と関わることはその人間の価値観に多少でも影響される。俺より価値ある人間なんていない。だから、他の人間に会う価値も意味もない。」と。「自分に非がある」と思い込んでいた私は元夫の言いなりでした。結婚当初までは、連絡をとっていた独身時代の友人とも疎遠になり、今思えばまさにマインドコントロールのような状態だったなと思います。

しかしながら、物質的には裕福な結婚生活で、私は恵まれた環境にありました。

元夫は子供の頃からお手伝いさんがいる中で育ったこともあり、出産後はベビーシッターを雇ってくれました。私は里帰り出産をできずに4人とも出産したので、ベビーシッターの存在は大きな助けとなっていました。4人の子供を出産し育てることは元夫と結婚していなければ出来なかったことであるのは間違いなく、その点は今も心から感謝しています。

優しい時の元夫は本当に「理想の夫」でした。だから私の記憶には、「幸せな家族の風景」「優しい元夫の笑顔」がたくさん焼きついています。理解してもらえるか分からないけど、私は、元夫と結婚できて本当に幸せでした。あのマインドコントロールが一生続いたらよかったのにと思うほどです。

でもマインドコントロールが解ける出来事が次々と起こっていくのでした。

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吉澤恵理

東北薬科大学卒業。現役薬剤師。アロマコーディネーター資格も持ち、医療ジャーナリストとして、多様な観点から様々な媒体にて健康や美容についての情報を執筆・監修している。4人の子どもを育てるシングルマザーでもあり、自分らしい人生を前向きに進んでいる。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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