性別:女
年齢:51
プロフィール:子どもは独立し、夫と二人暮らしの51歳です。両親や妹とは近所に住んで行き来をしています。
※毎日が発見ネットに掲載された体験記を再構成してお届けします。この体験記が書かれたのはコロナ禍前です。

私の両親は共に78歳で、二人で暮らしています。
父は特に病気もせず元気ですが、母は一年前に乳がんの手術をしてからあまり体調が良くありません。
私は三人きょうだいで、長女の私と末っ子の次女が両親のすぐ近所にマンションを購入して住んでいるので、ちょくちょく実家に顔を出し、家事を手伝っています。
真ん中の弟(長男)は大学進学のため上京してそのまま就職。
結婚して家も建てました。
夏休み、冬休みには弟家族が帰省し、親族が集まって仲良く過ごすのが恒例でした。
ところが、最近になって父が少なくない額の借金を抱えていることが判明したのです。
私たちを大学まで出して、何不自由ない生活をさせてくれていた立派な父が、です。
青天の霹靂とはこういうことなのですね。
最初に母から相談を受けた私は、父にその件について確認しました。
そして、私たちきょうだいで何とかならないだろうか、今まで一生懸命育ててくれた両親を助けられないだろうか、そう思って妹や弟に相談しました。
妹は私と同じ気持ちでホッとしました。
しかし、弟には長男という感覚はなく、家を売ってアパートにでも引っ越せばいい、とドライな考えで、私は弟が何だか遠い他人のような気がしてショックでした。
弟にとっては今の自分の家族が何よりも大切で、そうなった父に情けないという思いのほうが強いようでした。
一度みんなが集まって話し合うべきだと思い、夏に弟が帰省した際に家族会議を開きました。
その時に父がどうしてそうなってしまったのか、今までの経緯と現状を詳しく話してくれました。
まずは借金がどれくらいあるか、家を売れば精算できるのかどうか、両親のこれからの生活、経済的なことを話し合いました。
結論からいうと、家を売って精算することになりました。
父は子どもたちに迷惑をかけたくないから、母とアパートを借りて何とかやっていくと。
ただ、自分が死んだら母を頼むと頭を下げました。
年老いた父が懺悔している姿は、かわいそうで涙が止まりませんでした。
私と妹は生活が厳しいなら、3万円ずつくらいなら援助できるから遠慮なく頼ってほしい、お母さんのことも心配しなくて大丈夫よ、と伝えましたが、弟は黙ったままでした。
正直、私の家庭も余裕があるわけではなく、私自身もパート勤めをしていて、子どもを大学に出すのが精いっぱいの家庭です。
弟の年収は我が家の3倍くらいはあるので、何となく父を助けてくれるんじゃないかと期待していました。
でも、仕方がありません。
いくらきょうだいでもそれぞれ独立しているのですから。
今までどおり、妹と協力し合って、出来ることを精いっぱいやっていきます。
あとどれくらい元気でいてくれるかわかりませんが、両親が少しでも安心して過ごせるようにと思います。
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