年老いた親に借金が発覚。きょうだい3人の考えの違い

私の両親は共に78歳で二人暮らしをしています。父は特に病気もせず元気ですが、母は一年前に乳がんの手術をしてからあまり体調が良くありません。私は三人きょうだいで、長女の私と末っ子の次女が両親のすぐ近所にマンションを購入し住んでいるので、ちょくちょく顔を出し、家事を手伝っています。真ん中の弟（長男）は大学進学のため上京してそのまま就職、結婚、家も建てました。夏休み、冬休みには弟家族が帰省し、親族が集まって仲良く過ごすのが恒例でした。

ところが、最近父が少なくない額の借金を抱えていることが判明したのです。私たちを大学まで出して、何不自由ない生活をさせてくれていた立派な父が、です。青天の霹靂とはこういうことなんですね。
最初母から相談を受けた私は、父にその件について確認しました。そして私たち兄弟で何とかならないだろうか、今まで一生懸命育ててくれた両親を助けられないだろうかと思い、妹や弟に相談しました。妹は私と同じ気持ちでいてくれたようでホッとしました。けれど、弟は長男という感覚はなく、家を売ってアパートにでも引っ越せばいいというようなドライな考えで、私は弟が何だか遠い他人のような気がしてとてもショックでした。弟は今の自分の家族が何よりも大切だということ、そうなった父に情けないという思いの方が強いようでした。

けれど一度みんなが集まって話し合うべきだと思い、今年の夏に弟が帰省した際に家族会議を開きました。その時に父がどうしてそうなってしまったのか、今までの経緯と現状を詳しく話してくれました。まずは借金がどれくらいあるか、家を売れば精算できるのかどうか、両親のこれからの生活、経済的なことを話し合いました。
結論からいうと、家を売って精算することになりました。父は私たち子どもに迷惑をかけたくないから、母とアパートを借りて何とかギリギリやっていくと。ただ自分が死んだら母を頼むとそれだけ頭を下げました。

年老いた父が懺悔している姿は、かわいそうで涙が止まりませんでした。私と妹は生活が厳しいなら、3万円ずつ位なら援助できるから遠慮なく頼ってほしい、お母さんのことも心配しなくて大丈夫よと伝えましたが、弟はだまったままでした。

正直、私の家庭は夫は安月給で私自身もパート勤めをして、子供を大学に出すのが精いっぱいの家庭です。弟の年収は我が家の3倍くらいはあるので、何となく父を助けてくれるんじゃないかと期待していました。でもしかたがないです。いくらきょうだいでもそれぞれ独立しているのですから。
今までどおり、妹と協力し合って、出来ることを精いっぱいやっていきます。あとどれくらい元気でいてくれるかわかりませんが、両親が少しでも安心して過ごせるようにと思います。

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